人気のイラストレーターや漫画家はファッションをどう吸収し、作品を生み出しているのだろう。本記事ではイラストレーター・漫画家“かもみら”氏に取材。Kindleインディーズマンガで公開された『かもみら短編集(全19話)』が、同カテゴリで1位から20位までを独占した経験を持つ新鋭のクリエイターの仕事を、ファッションの視点で覗いてみた。
“かもみら”は広島在住の22歳のクリエイターだ。2019年からイラストレーターとして活動を開始し、2021年よりTwitterで短編漫画の投稿を始めた。
「SNSで発表している漫画は、イラストの仕事の合間にやっている趣味みたいなものです。仕事では描けないことが蓄積してこらえきれなくなりました」
そう話す作品群は、10P程度のショートストーリーが中心。ジャンルとしては「BL」に属するものだが、その作風はセクシャルなインパクトを与えるというよりは極めて ポエティックだ。
登場人物の儚げな恋愛関係の描写とトリッピーな世界観が話題を呼び、作品の多くが1,000単位のRTを獲得する。
とりわけ当媒体が注目したのは、そのファッション感度の高さだ。統制されたカラーリングとディテールへの執着。タトゥーやボディピアスも織り交ぜたゴージャスなコーディネートからはファッションの自由を謳歌しようとする強い意志を感じる。
インタビューでは、まず服に対するこだわりから聞いた。