ブランクボディとも呼ばれるプリントや刺繍を入れる前の無地状態のTシャツやスウェット。国内外でさまざまなブランドが存在するが、素材、シルエットからこだわり、ブランクボディというものを一から構築しなおしたブランド「
Knuu(ヌウ) 」が今年の春に誕生した。
きっかけは一枚の生地見本から 「ブランドのはじまりからお話しさせてもらうと、代表の横堀から裏毛の生地(スウェット生地)を見せられ、『この生地でなにか作れないかな、このぐらいの生産ロットで、このくらいの値段で作れるんだけど』という話をもらい、その生地のクオリティの高さと、伝えられた生産ロット、値段を聞いて、これはブランドを立ち上げた方がいいと考えました。それからブランクボディといわれるブランドのマーケットを調べて、ブランドスタートに向けて着手していきました。
たとえばBtoBでの取引を考えたときに、イベント 時のTシャツや、オリジナルでスウェットを作りたいという会社があって、『生産のコストは日々高騰し続けている、でもクオリティの高いものは欲しい』、そういうニーズにも応えていけるブランドを作ろうと思いました」
“Premium and Basic”ブランクボディと呼ばず、プレーンボディと表現するブランドへ ブランドをはじめるきっかけをお話しいただいたところで、実際にKnuuというブランドが形作られていったお話を引き続き伺っていこう。
「自分一人で考えるのではなく、信頼する 人たちに声をかけ集まってもらい、どんなラインナップでいくかなど、一から考えて、ロゴをデザインしたり、コンセプトをまとめたり、フリーで活躍するアパレルデザイナーからは、色出し、細かいところのディテールまで、みんなの意見を取り入れて、かつシンプルに仕上げるということに取り組みました。
まずブランド名は日本語の“縫う”からきていて、英語のように発音しない“K”をつけて『Knuu』というブランド名になりました。
そして使う生地は、天竺(Tシャツ生地)と裏毛生地の2つのみで、作るアイテムはショートスリーブTシャツ、ロングスリーブTシャツ、クルーネックスウェット、フーデッドスウェット2型、スウェットパンツの計6型でスタートすることに決めました。
もちろん、プリントや刺繍を入れてもらってもいいのですが、無地で着てちゃんと通用するクオリティのものを作ることを大切にし、またKnuuではブランクボディとは呼ばず、プレーンボディと表現することにしました。そして世界観を表す“Premium and Basic”というキーワードも作り、展開がはじまりました」
超ヘビーウェイトな天竺 ここからは実際にKnuuのこだわりが詰まったアイテム作りを見ていきたい。まずは天竺を使ったアイテム「Heavy Crewneck T-Shirt(ヘビー クルーネック ティーシャツ)」と「Heavy Crewneck Long Sleeve T-Shirt(ヘビー クルーネック ロンクスリーブ ティーシャツ)」のお話から聞いていこう。「一番の特徴というとヘビーウェイトな生地だと思います。一般的なTシャツだと、6.5オンスぐらいからヘビーウェイトといわれるのですが、Knuuの天竺は9.5オンスとかなり分厚くなっています。専門的なお話をすると26番手(糸の太さ)の糸を2本撚り合わせた双糸[1] という糸で編まれた生地で、天竺では珍しい26番手の端番手を双糸で編むことにより、厚手で独特な風合いが出ます。
さらにTシャツは着ていくと斜行といって斜めに縮むことがよくあるのですが、Knuuのアイテムはそれが起こりにくいのが特徴となっています。
シルエットとサイジングは個性的になりすぎないように細部までこだわり、身幅は一般的なものより少しだけ大きく、肩も着たときに少しだけドロップショルダー気味になるように調整しました。この作業は本当に細部まで気を使って取り組みました」