西陣岡本が織りなす、日本の伝統と職人の魂が宿る西陣織
2025.04.17
西陣岡本が織りなす、日本の伝統と職人の魂が宿る西陣織
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京都の北西部(上京区、北区)にあたる地域は「西陣」と呼ばれ、その地で西陣織工業組合に所属している織屋が生産する織物を「西陣織」という。多彩な織り方があるのが特徴で、西陣織として12種類の製造技法が認定されている。
西陣岡本では、4世代100年以上にわたって西陣織の伝統が受け継がれてきた。なかでも金糸や金箔、銀糸などを用いて織られる豪華な織物「金襴(きんらん)」を得意としており、全国の神社仏閣に納めてきた歴史がある。
今回は同社・社長の岡本圭司さんと専務の絵麻さんに、同社のあゆみや、西陣織の変遷と未来について伺った。
PROFILE|プロフィール
岡本 圭司(おかもと けいじ)
岡本 圭司(おかもと けいじ)

西陣岡本 代表取締役
当社で生まれて当社で育ち、武蔵野美術大学で油絵を描く。1998年入社、手織りの伝統工芸士。製織、営業、配色、修理などを担当。

PROFILE|プロフィール
岡本 絵麻(おかもと えま)
岡本 絵麻(おかもと えま)

西陣岡本 専務取締役
札幌生まれ札幌育ち、東京造形大学で染織を学ぶ。大学担当教授のファイバーアートや桐生の新井淳一に傾倒し、斬新な織物やファイバーアートに携わりたいと思っていたが、圭司と結婚して1998年から西陣織に従事。紋意匠(テキスタイルデザイン)、ウェブサイト制作、SNS担当、昼の賄作りなど担当。

4世代にわたって金襴一筋で西陣織をつなぐ

平安時代から室町時代にかけて織物産業が発展したのを機に、公家や公卿が住む御所の近くだった西陣でも織物業が繁栄した。

絵麻さん 「幕府や武家社会がきらびやかで重厚な高級織物を愛好したことで、当時は花鳥風月や伝統的な吉祥文様など、階級を色や模様で現すことのできる格式の高いデザインが求められていました。技術的にも金糸や銀糸を使った豪華な表現技法が広く採用されており、素材を集めるのにも織るのにも時間がかかるため、非常に高価な織物でした」

西陣岡本が誕生したのは、1890年(明治23年)頃のこと。現在の社長・岡本圭司さんの曽祖父が金襴を織りはじめたのがきっかけだ。以降、4世代にわたって受け継がれ、現在は親族8名で運営している。
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