江戸時代から紡ぐ、不変のバトン:岡井麻布商店
2025.01.27
江戸時代から紡ぐ、不変のバトン:岡井麻布商店
リンクをコピーしました
手織りの奈良晒(ならさらし)卸売店から自社ブランドを立ち上げた岡井麻布商店。昔から変わらず続く手織りの奈良晒の美しさを追求し、現代のライフスタイルに合うものづくりを目指している。奈良県奈良市の静かな山間にあるアトリエに伺い、同社代表の岡井大祐さんに話を伺った。
PROFILE|プロフィール
岡井 大祐(おかい だいすけ)
岡井 大祐(おかい だいすけ)

1980年生まれ。奈良県奈良市出身。大学卒業後に父の跡を継ぎ、2023年に岡井麻布商店の6代目代表取締役に就任。2024年に奈良県伝統工芸士認定。自社ブランドMafu a Manoを立ち上げ、新商品を開発し、奈良晒の多様な魅力を発信。

江戸以前から続く、機織りの家系

事業について、また事業の始まりについても教えてください。
江戸時代、機織りは奈良唯一の産業で、奈良町に住む約9割は機織りに関わっていたといわれています。岡井家も代々機織りをして、1863年に岡井麻布商店の屋号を掲げ、主に武士の上下(かみしも)や茶巾、数寄屋袋など茶道に関わるものを織っていました。問屋への卸をしていましたが、茶道具の需要が減って、このままでは衰退していくと感じました。そこで手紡ぎの糸を使った手織りの奈良晒で現代のライフスタイルに合うものづくりを目指し、20年前に店舗をオープンしました。

家業を継いだきっかけや経緯について教えてください。
後々役立つだろうと、京都の大学で経営学を専攻していました。いつかは家業を継ぐつもりでしたが、一旦社会に出て他の領域を知った方がよいのではないかと思っていたなかで、ちょうど卒業のタイミングで店舗を出すことになったため、すぐに家業に携わることに決めました。最初は店長として働き始め、機織り以外にも接客や販売など、スタッフと共に学びました。
この記事をシェアする
リンクをコピーしました