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2023.08.08

LOUIS VUITTONの新たなメンズ クリエイティブ・ディレクター、ファレル・ウィリアムスのデビューが話題に【2024年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウィーク】

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2023年6月20〜25日に、2024年春夏シーズンのパリ・メンズ・ファッション・ウィークが開催された。
公式スケジュールで80ブランドが、ランウェイショーとプレゼンテーションでコレクションを発表。ファッション市場においてパリコレが最重要イベントである所以は、他都市とは異なり、ビッグメゾンから若手まで国際色豊かなブランドでスケジュールが構成されている点が挙げられる。
今季も日本、韓国、北欧、アメリカ、アフリカをルーツとするブランドが名が連ね、トルコ発「BURC AKYOL(ブルク アクヨル)」と日本人デザイナー、山岸慎平が手掛ける「BED j.w. FORD(ベッドフォード)」がパリコレデビューを果たした。
パリはボーダーレスに創造性を育み、発掘する場として、クリエイターからプレス、バイヤーを引き付けてやまない都市であり続けている。
そして今季最大の目玉は、「LOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)」新メンズ クリエイティブ・ディレクターに就任したファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)によるデビューコレクションのお披露目だ。

話題総なめのファレルによるLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)がデビュー

パリコレ・メンズの初日を華々しく飾ったショーでは、セーヌ川に架かる橋ポンヌフをゴールドのダミエモチーフで飾り、一般道路を通行止めにしてランウェイに見立てた。空が夕陽色に染まると同時にショーがスタート。
ストリートとミリタリーの要素を織り交ぜながら、イージーフィットのテーラリングでリアルクローズを軸にしたコレクションを披露した。ウエアやバッグ、アクセサリーにはダミエとカモフラージュを融合させた新しいアイコン“ダモフラージュ”を打ち出し、その他の同ブランドの代表的なモチーフに比べると落ち着いた印象だったダミエを主役へと押し上げる。
モノグラムのボストンバッグは赤、緑、青、黄と鮮やかなカラーで表現し、ベレー帽やパールのジュエリーといったフェミニンなアイテムはファレル自身のスタイルを想起させた。ゴスペル隊による楽曲“JOY”が一体感を生み出し、映画スターから世界的ミュージシャン、業界関係者などその場に居合わせた全ての人が一つとなり、文字通りJOYに溢れたランウェイショーは大歓声で幕を閉じた。
その後、開催されたアフターパーティでは、Jay-Zとファレルがパフォーマンスを行うビッグサプライズも。世界一の規模を誇るラグジュアリーブランド、「LOUIS VUITTON」はあらゆる垣根を超えて、新たな顧客層へとリーチし発展することを予感させる、記念すべきコレクションとなった。
Pharrell Williams
Pharrell Williams
この前代未聞の豪華な祭典ごときショーを皮切りに、今季のパリ・メンズが開幕。ビッグメゾンのコレクションからは、ミラノとはまた違った潮流も浮き彫りになった。

LOEWE(ロエベ)、未知なるバランスで生み出す“プロポーション”

今季のパリ・メンズで最も顕著だったのは、新たなプロポーションによるバランス感覚だ。
好例なのが「LOEWE(ロエベ)」で、ほとんどのルックでクロップド丈のトップスに超ハイウエストのボトムスを合わせる下半身の長いプロポーションを強調した。
クリエイティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は、「魚眼レンズで人の身体を見上げたときのプロポーションをイメージした」と話し、シャツやニットのカーディガン、バギーパンツといった定番のアイテムに捻りを加えて新しいスタイルへと導く。
シュルレアリスムな世界観を表現し続けた過去数シーズンから、平凡を非凡へと変容させるクリエーションへと傾倒している。ありきたりなアイテムにギミックを加えたスタイルは、固定観念への問題提起のようにも感じられた。
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