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2024.06.04

大胆な色、質感、型にはまらない形を洋服に:Paula Canovas del Vasのデザイン哲学

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スペイン出身のデザイナー、Paula Canovas del Vasはパリを拠点に活動している。セントラル・セント・マーチンズで学んだ後、ステラ・マッカートニー奨学制度の支援を受け、2018年に自身のブランド"パウラ・カノヴァス・デル・ヴァス"を立ち上げた。
2022年9月のパリ・ファッションウィークで発表したSS23コレクションが注目を集め、同年のLVMHプライズのセミファイナリストにも選出。ニューヨーク・タイムズ紙でも新進気鋭デザイナーとして取り上げられた。
Paulaのデザインは、豊富な参考資料や工芸の技術、独自の形状や色彩、質感、生地への探究心を軸に、さらにアーティストとのコラボレーションを取り入れるなど、若々しくも実験的だ。使用する素材はデッドストックの生地が中心だ。
そんな彼女の創作の源を、デザイナー本人に直接聞いた。

常に境界線を押し広げ、新しいアイディアを探求

ブランドのデザインコンセプトについて教えてください。
彫刻のような立体的なシルエットを中心に展開しています。不完全さと混沌とさえ言えるような要素をあえて取り入れ、実験的な感覚と遊び心、ユニークさを賛美するコンセプトを込めています。
そこにはどんなデザイン哲学があるのでしょうか?
パウラ・カノヴァス・デル・ヴァスのデザイン哲学は、大胆な色、質感、型にはまらない形を服に取り入れることに重点を置いています。
このブランドは、デザインプロセスにおける革新性、創造性、ユーモアのセンス、そしてデッドストックの生地を使うことを大切にしているのです。
彫刻的形状のインスピレーションはどこから?
建築、自然、現代アートなど、さまざまなものから得ていますね。
このブランドはデザインプロセスにおける実験と創造性をもっとも大切にしており、常に境界線を押し広げ、新しいアイディアを探求しているんです。

自己表現と創造性を奨励する

ウィメンズウエアには、不完全であっても価値を見出す日本の美意識「わびさび」が取り入れられていますよね。
そうなんです。型にはまらないシルエット、未加工のエッジ、有機的なテクスチャーなどを通して、不完全さや無常さを賛美する日本の「わびさび」のコンセプトをデザインに取り入れています。
「わびさび」哲学の遊び心と創意工夫は、アシンメトリーなデザイン、意外性のあるディテール、自然体の感覚を通して、ブランドのコレクションに反映されています。
そのほか、代表的なデザインについても教えてください。
たとえば、ミニドレスには鮮やかな色と動きのある素材を選び、デザインに活気と興奮を加え、ブランドの遊び心と陽気な美学を高めています。
また、ユニークな「ディアブロ」シューズは、動物の蹄をイメージしていますね。
話題になったフリンジバッグのデザインコンセプトは、SS23コレクションの一部で、動きのあるフリンジや、衣服とアクセサリーの両方に使用されたさまざまなタイプのストライプやテープを参考にしているんです。
これらのデザイン哲学は、伝統的な完璧さの概念を否定し、個性と自発性を称賛することを反映しています。このようなデザインにおけるユーモアと陽気さの強調は、ファッションに喜びとポジティブさをもたらすとともに、自己表現と創造性を奨励するというブランドの願いが込められています。
最後に、今後の展開についても聞かせてください。
今後もパウラ・カノヴァス・デル・ヴァスはデザインの美学に忠実でありながら、コラボレーションを通じてコンセプトやアイディアを推し進めて参ります。そして、より多くの方にブランドを認知していただき、国際的にも拡大していけるよう目指しております
新しい商品カテゴリーへの展開やアーティスト、デザイナーとのコラボレーションなどを中心に検討していますね。
また、若手デザイナーへのアドバイスとしてお伝えしたいのは、トレンドに目を向けないこと。自身の声を見つけ出し、自分と自分の作る製品に正直になることが大切だと伝えたいです。
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