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2024.04.01

「REGAL(リーガル)」から生まれたコンセプトブランド「REGAL Shoe & Co.(リーガルシューアンドカンパニー)」のクラシックと革新的なもの作り

革靴ブランドとして日本での展開も長く馴染みの深いブランド「REGAL(リーガル)」。そのREGALの歴史と技術を継承しつつも異なるコンセプトで展開されているブランド「REGAL Shoe & Co.(リーガルシューアンドカンパニー)」を紹介したい。
今回は株式会社リーガルコーポレーション 商品企画部 一課 森田幸之介さんにREGALの歴史やREGAL Shoe & Co.がはじまった経緯、さらには革新的なこだわりの靴作りについてお話を伺った。

古き良きアメリカのREGALをいまのファッションに解釈する

「REGALは1880年にアメリカ マサチューセッツ州で誕生したシューズブランドです。1900年頃から全米で大きく展開されていたブランドで、日本には1961年にやってきました。日本に来てからの歴史も60年以上と長いので、国内でも馴染みのあるブランドとして認知されているかと思います。
REGALが日本で展開された頃はアイビーブームで『VAN Jacket (ヴァン ヂャケット)』のアウターを着て足元はREGALの革靴というスタイルが爆発的に人気になり、当時一気に知名度が上がったといわれています。その時代を経てREGALは日本のブランドのように愛されてきました。それからの時代は、いわゆるビジネスシューズとしての用途で履かれる方がとても増えていきました。
REGAL Shoe & Co.はそのベクトルとは別に、REGALのアーカイブモデルをいまのファッションの解釈で展開しようと、2010年に渋谷のショップオープンとともにブランドもスタートしました。
従来のREGALとの違いは、アメリカ時代のREGALで作られていた頃の木型やデザインを用いて、スニーカー一辺倒だった当時のストリートファッションに、私たちのレザーシューズを届けようという思いではじまりました」
アメリカの古いREGAL社屋の写��真 年代は不明
アメリカの古いREGAL社屋の写真 年代は不明
渋谷のREGAL Shoe & Co.直営店
渋谷のREGAL Shoe & Co.直営店

アメリカ生まれ日本育ちのREGAL

REGALは長年Made in Japanを貫いている。なのでREGALを日本のブランドだと思っている方も多いのではないだろうか。そこには長年日本で展開されてきた歴史があり、それを礎にREGAL Shoe & Co.というブランドが生み出されたと考えられる。引き続きお話を伺っていこう。
「REGALは“アメリカ生まれ日本育ち”という背景に、REGAL Shoe & Co.は原点であるアメリカ創業当時のテイストをコンセプトの一つに取り入れています。
アメリカでREGALブランドが始まったころは“リーガル・シュー・カンパニー”として展開していた過去の歴史から、ブランドのネーミングをもらい、REGAL Shoe & Co.としてブランドをスタートしました。トレードマークの“Boots Mark”(ブーツ マーク)も当時へのリスペクトをこめて採用しています」
日本の自社工場
日本の自社工場
アメリカ REGALの店舗 大きなブーツの看板がトレードマーク
アメリカ REGALの店舗 大きなブーツの看板がトレードマーク

グッドイヤーウェルト式製法の靴に「GORE-TEX」を搭載する

近年REGAL Shoe & Co.の大きな取り組みとして「GORE-TEX(ゴアテックス ファブリクス)」を搭載したプロダクトをリリースしている。GORE-TEXを搭載した靴はさまざまなブランドからもリリースされているが、革靴作りとしてグッドイヤーウェルト製法[1]を用いるのがREGAL Shoe & Co.のこだわりで、この2つを合わせ持ったプロダクトを実現させるのはかなり難易度の高いことだったという。
「グッドイヤーウェルト式製法の靴にGORE-TEXを搭載するという技術はREGALとGORE社で共同で開発したものです。GORE-TEXのメンブレン[2]素材をブーティー形状にしたものを靴の中に入れ込み、GORE-TEXメンブレン素材を傷つけないようにグッドイヤーウェルト式製法を用いてアッパーとソールを縫い合わせていくのですが、この技術が難しいものでした。
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