アパレルブランド「REINA IBUKA」が紡ぐ、秩父の伝統工芸
2023.12.28
アパレルブランド「REINA IBUKA」が紡ぐ、秩父の伝統工芸
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埼玉県の北西部に広がる秩父地域は、美しい自然に囲まれたエリアだ。三峯神社や秩父神社、羊山公園の芝桜、長瀞の岩畳など観光スポットも魅力的だが、それ以外にも特に注目すべきは伝統的工芸品だ。
そんな秩父で、パリでデザイナーとしての経験を積んだ井深麗奈さんが、秩父銘仙や秩父太織を使用したアパレルブランド「REINA IBUKA」を展開している。パリで得た経験を生かし、秩父シルクの素晴らしさを発信している。
今回は井深さんのストーリーを通じて見えてくる、秩父の魅力をお伝えしたい。
PROFILE|プロフィール
井深 麗奈(いぶか れいな)
井深 麗奈(いぶか れいな)

埼玉県秩父市出身。文化服装学院卒業後、ランジェリーブランドの企画を経て、フランスのランジェリー、レースに憧れ1997年に渡仏。アンティーク品、ヴィンテージ生地のバイヤーとしてヨーロッパ各地をまわる。その経験を生かし、レースとカーテンやテーブルクロスを合わせたインナーブランド maria-reina paris を2000年に立ち上げる。その後20~60年代のオートクチュールや映画、文化に魅了され、アウターラインとレースのマリアージュをベースに Reina I. paris を2009年に発表する。17年過ごしたフランスから2014年に本帰国。
本帰国とともに休止していたブランドは、いろいろな思いから再開はしないと考えていたが、秩父の自然、人、伝統的絹織物の豊かさに触れ、2019年に再びファッションブランドをゼロからスタートさせる。コロナ禍で造った小さなメディカルハーブガーデンの横に、山の見えるアトリエを2021年4月に構える。
地球の変化とともにファッションのあり方も変わっていかなければならない現代、ここを拠点に大切なことを人と共有していきたいという思いで活動中。

秩父シルクとソフィ アレット

パリでのファッションデザイナーとしての経験は、井深さんのキャリアにどのように影響したのでしょうか?
高校卒業後、文化服装学院に進学し、卒業後は都内のランジェリー会社に就職しました。そこでランジェリーに魅了され、レースやランジェリーの本場で勉強したいと思い渡仏しました。

パリでは、夢だったランジェリーブランドを立ち上げ、アンティークのレースやカーテンなど、蚤の市の古く美しいものをアップサイクルして作った作品からスタートしました。

そうした活動の中で、本場の本物のレースを扱いたいと思うようになり、パリのレース会社であるフランスの老舗レースメーカー 「Sophie Hallette(ソフィ アレット)」でシーズン落ちのレースを購入させてもらい使えるようになりました。感激と刺激を受けながら制作していました。

その後パリのさまざまな文化に魅了、刺激され、ランジェリーに加え洋服も展開するようになりました。
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