ものづくりに携わっていることが誇り
御社が創業した経緯を教えてください。
弊社は、1793年に創業しました。漆琳堂の創業家である内田家は代々「漆掻き」という漆の原料の収集を生業とし、4代当主が漆塗り業をはじめました。現在は8代目である私が伝統ある漆塗りの技を受け継いでいます。
一般家庭用の漆器と合わせて、旅館や飲食店で使う業務用漆器などの製造も行っています。
また、金継ぎなどお椀の修理も行っており、曹洞宗の大本山「永平寺」の修行僧が使う漆器「応量器」の修理も担当してまいりました。
誰かが使う器を作っていることもあり、器に温かいお汁や料理が入った、会話が弾む和やかな食卓を想像しながら丁寧にものづくりをしています。
御社の一般家庭用の漆器は、現代の生活に合う色や機能性を意識されているように感じます。
カラフルな漆器を作ったのは、若い世代の人たちにも手に取っていただきたいという思いがあるからです。もともと漆器は代々受け継いで使われることが多いのですが、日本では核家族化が進んだり、単身者が増えたりしているのでなかなか若い世代まで届きません。“若い人にどのように手に取ってもらうか”が課題なんです。
そこで、弊社ではカラフルな漆を調合し、いろいろな料理を盛り付けるイメージを持ってもらえるような漆器作りをはじめました。若い世代の方にも手に取っていただけるようになりましたし、漆器をよく使う方からも、「こういう漆器を使ってみたかった」と好評をいただいています。