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アーティストダン・コーレン（Dan Colen）が立ち上げた非営利団体Sky High Farm（スカイハイファーム）は、ニューヨークのアートシーンを牽引してきた人物たちが集結し、リジェネラティブ農業を実践。収穫物をすべて困窮者に寄付している。
アートと社会貢献を融合させたこのユニークな取り組みは、NPOとして活動を広げ、アート界やファッション業界を巻き込みながら、新たな社会貢献の形を生み出している。
そんなSky High Farmの活動をさらに広げるために立ち上げられたプロジェクトが、「Sky High Farm Universe」であり、そこでの活動資金を調達するために設立されたアパレルブランドが「Sky High Farm Workwear」だ。陽気でカラフルなデザインが特徴で、農場のシンボルである月とイチゴのマークのもとに集まった、さまざまなブランドとのコラボレーション作品も展開している。
今回は同プロジェクトを担当する、シーボルト氏にインタビューを実施。Sky High Farm Universeの取り組みやSky High Farm Workwearの展開について伺った。
PROFILE｜プロフィール
ダフネ・シーボルト（Daphne Seybold）
Sky High Farm Workwear創業者
Sky High Farm Universe
社会貢献とビジネスを融合させた革新的なモデル
まずは、Sky High Farm Workwearを立ち上げた背景や経緯について教えてください。
Sky High Farm Universeの創設者であるダン・コーレン氏と、コム・デ・ギャルソン／ドーバーストリートマーケットの元マーケティング・コミュニケーション責任者である私が出会い、2022年1月に誕生したブランドです。アーティストでもあるコーレンは、Sky High Farm Universeを立ち上げると、早速ドーバーストリートマーケット・パリとのチャリティープロジェクトを実現しました。ドーバーストリートマーケット・パリは、新興ブランドを市場に投入するブランドインキュベーターとして、コレクションの製作を申し出ました。
Sky High Farm Universeは、Sky High Farmの非営利活動の一環として支援活動と募金活動を行っており、ワークウエアへの展開はまさにその第一歩となりました。
Sky High Farm Universeは資本主義と慈善活動の交差点に存在するプロジェクトですよね。その背後にあるコンセプトやミッションは何ですか？
Sky High Farm Universeは、Sky High Farmの非営利活動を維持・拡大することを目的とした独立した事業体です。従来の富の階層構造を逆転させるユニークな企業構造を持ち、利益の50％を農園に寄付し、残りを従業員、コミュニティ、投資家に分配します。革新的な卸売モデルでは、コレクションを扱うすべての小売店に前払いの寄付を義務化し、従来のような売り上げに頼らない寄付の仕組みを構築し ました。この画期的な取り組みによって、短期間で50万ドル以上の資金を集めています。
Sky High Farm Universeは、社会貢献とビジネスを融合させた革新的なモデルで、農園活動の持続的な発展を目指しています。
利益がファームの運営費に充てられる仕組みについてもう少し詳しく教えてください。
ドーバーストリートマーケット・パリで生産されたシーズンアパレルコレクションを通じて、私たちはホールセール・ドネーション・プログラム（WDP）という革新的な寄付システムを導入しました。これは、商品販売前にすべての小売業者に農園への前払いの寄付を求めるプログラムです。WDPの画期的な点は、小売業者の寄付によって、売り上げに左右されることのない寄付システムが構築されたということです。
2022年のブランド立ち上げ以降、Sky High Farm UniverseはWDPを通じて50万ドルを超える寄付を集めています。さらに、収益が出た場合はブランド利益の50％を農園活動に寄付する予定です。
WDPは、従来の寄付システムとは異なり、小売業者と顧客を巻き込んだ画期的な仕組みです。このプログラムを通じて、Sky High Farm Universeは農園活動を継続的に発展させていくことを目指しています。
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