高難易度のオリジナルトリックは世界でも彼しかできないといわれるほど、テクニカルなスタイルで赤マル急上昇のプロスケーター白井空良。日本期待の星である彼が、どのようにしてプロスケーターまで駆け上がったのか? そして彼の足元を支えるNIKE SB(ナイキSB)の良さとは? 今回は白井空良本人に、スケートとともに見据える未来を伺ってきた。
正直、スケートボードが楽しくない時期もあった
横ノリ系、特にスノーボードが好きだったという父親の影響から、5歳でスケートボードを始めたという白井空良さん。「スケートを始めたての頃は、夢中でやっていたのですごく楽しかったのを覚えています。大会に出場するようになってからは両親も本気になり、楽しかったんですけど、辛かった記憶もありますね」
と笑いながら答えてくれた白井さん。当時は両親の熱量の方が高く、実は楽しさと親からの期待のはざまで苦しんでいたそうだ。
「楽しいけど辛いみたいな状況が続いていましたけど、どんどん上達していくのでやめどきもなく……。幼少期の頃は辛い時期の方が多かったかもしれません。他の友達は学校が終わって遊んでいるのに、自分は練習があるから遊べない……みたいなときもありました」
幼少期から大会に出場するも伸び悩み、苦しい時期が続いたが、そこから少し潮目が変わったのは世界大会でトップ5に入る成績を残せるようになってからだった。
「本当にスケートが楽しいと思えるようになったのは、5~6年前に世界大会で活躍できるようになった頃から。自分の持ち味は、難しい方から身体を捻ったり横回転をしたりする、誰もやっていないトリックをメイクすること。新しい技に挑戦した方が大会でも点数は高いし、見ている人もワクワクすると思うので、自分はそういった技を好んでやります」
カップソールよりバルカナイズドソールが好み
難易度の高い、前人未到のトリックに挑戦し続ける白井さんの足元を支えるのは「NIKE SB(ナイキ SB)」。東京2020オリンピック直前から白井さんのスポンサーになっている。「自分の夢が『ナイキSB』にスポンサードしてもらうことだったので、お話をいただいたときは本当にうれしかったですね」
白井さんが好んで履くのは「ナイキSB」の「ズーム ブレーザーMID プレミアム」。「ナイキSB」といえば「ダンク」というイメージがあるのだが、白井さんはこう答えてくれた。
「実はダンク特有のカップソール[1]が苦手なんです。バルカナイズドソール[2]の方が好きなので、『ダンク』よりも『ブレーザー』のほうが自分にはしっくりきました」
なぜ、バルカナイズドソールの方がいいのか。その理由を詳しく聞いてみると、白井さんは続ける。
「個人的な感想ですが、カップソールは自分の足を動かしている感じがしない。カップソールは分厚くて硬いので衝撃吸収や耐久性には優れていますが、自分の足でコントロールしている感覚がないので、ボードフィーリング(スケートボードを触っている感覚)が弱いんです。
逆に、バルカナイズドソールはフォルムもスリムだし、薄くて柔らかくグリップ力があるのでボードフィーリングがつかみやすく、ボードをコントロールしている感覚が強い。もちろん、衝撃吸収や耐久性は落ちるデメリットはありますが、それを超える良さがあります」
またミッドカットにもこだわ りがあると、白井さんは語る。
「ミッドカットは、安心感がありますね。トリックなどでボードが当たるくるぶしなどをしっかりガードしてくれるのがいいですよね。
もちろん、足首を固められているので、思うように足が動かなくなる面もありますけど、自分にはミッドカットが合っていると思います」
また、最近はアフタースケートや出かけるときなどに「P6000」というランニングモデルを履くことが多いそう。
「スケートシューズは意外とゴツいので、普段履いていると疲れてしまいます。この『P6000』は練習が終わった後に履き替えています。ランニングシューズなので軽いし、ソールも厚めでフワフワなので、歩きやすい。足もオンとオフをしっかり切り替えられます。普段のスタイルにもハマるから重宝していますね」