砥部焼・和将窯が生み出す新しいリズム エチュード模様の器
2026.02.20
砥部焼・和将窯が生み出す新しいリズム エチュード模様の器
※音声読み上げ機能はAI生成のため、
読み間違いが発生する場合があります。
リンクをコピーしました
※音声読み上げ機能はAI生成のため、
読み間違いが発生する場合があります。
砥部焼の伝統的なイメージの中で、ひときわ自由な線を描く器がある。和将窯が手がける「エチュード模様」は、音楽のようなリズムをまとい、見る人によってさまざまな表情を見せる絵付けだ。
伝統の技法を土台に、自分の感覚を信じて生まれたその線の背景には、自然体で陶芸と向き合う作り手の姿がある。
PROFILE|プロフィール
山本 和哉(やまもと かずや)

砥部焼窯元・和将窯代表

1980年生まれ。中学生の頃、父が松前町に和将窯を開窯。砥部町の陶芸教室に通い、自然な流れで陶芸に親しむ。デザイン学校で培った線や構成の感覚をもとに、独自の絵付け「エチュード模様」を確立。伝統的な手仕事を守りながら、現代の暮らしに寄り添う器づくりを続けている。

父が始めた窯で自然に始まった陶芸人生

和将窯があるのは、愛媛県松前町。日常の器として親しまれてきた砥部焼の産地だ。この地で1998年に父が窯を開いたことが、山本さんの陶芸家としてのすべての始まりだった。その経緯について、少し考えながらこう振り返る。

「何かを決意した、という感覚はあまりなかったですね。陶芸教室の延長に、いつの間にか窯があった、という感じでした」

砥部町では、陶芸は特別な存在ではない。町の中に教室があり、器があり、土に触れる機会がある。陶芸は、将来を見据えて選び取る仕事というよりも、生活の延長線上にあるものだった。

「『やらされている』という感覚は、一度もなかったですね。ただひたすらに、楽しかったです」

家業を継ぐという強い意識や使命感が、最初からあったわけではない。ただ、身近にあり、楽しかった。その自然な距離感が、今の器づくりの土台になっている。