砥部焼窯元・和将窯代表
1980年生まれ。中学生の頃、父が松前町に 和将窯を開窯。砥部町の陶芸教室に通い、自然な流れで陶芸に親しむ。デザイン学校で培った線や構成の感覚をもとに、独自の絵付け「エチュード模様」を確立。伝統的な手仕事を守りながら、現代の暮らしに寄り添う器づくりを続けている。
和将窯があるのは、愛媛県松前町。日常の器として親しまれてきた砥部焼の産地だ。この地で1998年に父が窯を開いたことが、山本さんの陶芸家としてのすべての始まりだった。その経緯について、少し考えながらこう振り返る。
「何かを決意した、という感覚はあまりなかったですね。陶芸教室の延長に、いつの間にか窯があった、という感じでした」
砥部町では、陶芸は特別な存在ではない。町の中に教室があり、器があり、土に触れる機会がある。陶芸は、将来を見据えて選び取る仕事というよりも、生活の延長線上にあるものだった。
「『やらされている』という感覚は、一度もなかったですね。ただひたすらに、楽しかったです」
家業を継ぐという強い意識や使命感が、最初からあったわけではない。ただ、身近にあり、楽しかった。その自然な距離感が、今の器づくりの土台になっている。