オリジナルアイコンである「SAI」をはじめ、制服姿の少女を描いた作品でSNS上で一躍有名となったアーティスト・
watabokuさん。今ではミュージックビデオ(MV)やCM、書籍の装画へのイラスト提供など、SNSに留まらない活動を行っている。
watabokuさんが描くイラストや、その中に登場する人物やファッションには、どのような思いが込められているのだろうか。弱冠15歳のシンガーソングライター、tuki.の楽曲アートワークや「Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)」とのコラボレーションなど、彼が手がけた作品の制作背景から、その独自の視点を紐解いていく。
PROFILE|プロフィール
wataboku(わたぼく)
日本人アーティスト。オリジナルアイコンである制服の少女SAIをモデルにした作品をソーシャルメディア上で展開し世界中にファンを拡大し続けている。
2016年にポニーキャニオンより初のアートブック『感0』を発売。以降、国内各地での展示に加えアジア圏を中心に海外数都市で個展を開催。近年は現代アーティストとしても活動の幅を広げている。
代表的な仕事にyohji yamamoto 2022 S/S collectionでのコラボレーション 、専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)2022年度TVCM、緑黄色社会「Mela!」のMV、tuki.のアーティストビジュアル、「 晩餐歌」のジャケットアートワークなど。
最新画集『VSI』がパイインターナショナルより発売中。
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「晩餐歌」からスタートしたtuki.のアートワーク制作
アーティストとして活動を始めた経緯を教えてください。
父が漫画家でプロの絵を見られる環境にいたこともあり、物心ついたときから絵を描くのが好きで、幼少期からずっと描き続けていました。ただ、当初はプロになるとは明確に考えていませんでした。本格的に活動をしようと考えたのは、2016年に1冊目のアートブック『感0』を出し、個展「きみ、あなた、おまえ」を初めて開いたことがきっかけです。
それまではネット上で、顔の見えない状態で作品に対していいねやコメントをもらっていたのですが、個展を開催したときに対面でお客さんと直接コミュニケーションを取るなかで、「もう少し責任感を持とう」と思ったんです。