近年では日本を代表するアーティストYOASOBI(ヨアソビ)のステージ衣装を手がけたことでも話題の、次世代デザイナー新國 あおい(にいくに あおい)さんにインタビューを敢行し、その世界観に迫ってみた。
いまこの勢いに乗らなければと思いました
はじめにYONLOKSANのブランドヒストリーを伺っていこう。ブランドをはじめたきっかけの出来事は、専門学校のカリキュラムの一環だったという「バンタンデザイン研究所の大阪校に通っていたのですが、在学中からひとつのブランドを持つという学校の方針でいろいろなカリキュラムが動いていて、YONLOKSANの前進ブランドとなる『463(ヨンロクサン)』をはじめたのがきっかけです。
そのなかで『Asia Fashion Collectionに出てみては』と先生から声をかけてもらえて、参加したショーでありがたいことにグランプリをいただきまして、それがターニングポイントになりました。
そのときにスタイリストの渕上 寛(ふちがみ かん)さんに『ブランドを今後も続けていくならお手伝いするよ』と声をかけていただいて、そういう出会いのタイミングなどもあって、自分の性格上、いまこの勢いに乗ってやらないと、ブランドを立ち上げるということをもうやらないかもしれないし、若いうちにいろいろな経験もしておきたいという思いもあって、卒業後もブランドを続けていくことにしました。
その後、渕上さんにはブランドのルックなどでスタイリングをずっとお願いしています。卒業後は学校で学んだ知識だけでは通用しないような気がして、実際に作っている現場で理解を深めたいと思い2年ほど洋服の制作会社で学びながらブランドも継続していきました。
Asia Fashion Collectionの翌年には、Vancouver Fashion Weekが新しいブランドを探していて、インスタグラムがきっかけでお声がけいただいたのですが、この経験もブランドにとっては大き な出来事だったと思います」
“463のゲッツー”がブランド名の由来
YONLOKSANというブランド名が気になった方も多いのではないだろうか、これは新國さんが幼い頃から好きな野球が関連している。そのブランド名に込めた思いなどを引き続き伺っていこう。「ブランド名は野球の“463のゲッツー”、つまりセカンド→ショート→ファーストの順番でダブルプレーを取ることなのですが、そこからきています。
祖父の影響で小さい頃か らテレビでプロ野球を観ていて、元中日ドラゴンズの井端 弘和(いばた ひろかず)さんの守備がすごく好きで、簡単に463のゲッツーを取っているように見えるのに、インタビューとかを見るとすごく工夫されていて、そういうところが素敵だなと思い、このプレーの名前をもらいました。
“野球におしゃれなイメージってないな”とも感じていて、そういうところから取ったネーミングでも、“ダサいと言われない服”を作りたいなと思っています」
YOASOBIのツアー衣装を手がける
Asia Fashion CollectionでのグランプリやVancouver Fashion Weekへの参加など、ブランドデビューから短期間で大きな出来事が続いているが、こちらも大きなトピックスとして、今年YOASOBIのステージ衣装をYONLOKSANが手がけたことが話題になっている。