ラボグロウンダイヤモンドを用いたそのリングは、スクリーンも音も持たない。ただ静かな光と色で、身につける者の時間と意識を守るという、まったく新しい体験を提供する。ラグジュアリーとテクノロジーの融合を試みるブランドを率いる設立者カティア・ド・ラステリエに、ビッグメゾンでの経験から“SPKTRL Light”開発の背景、そして未来への展望を聞いた。
PROFILE|プロフィール

カティア・ド・ラステリエ(Katia de Lasteyrie)
未来から逆算された、新たなラグジュアリーの提唱
パリ、ヴァンドーム広場。荘厳な石畳に陽が差し込むこの場所は、フランスが誇るハイジュエリーの伝統そのものだ。数世紀にわたり、宝石はその光の中に人々の欲望や夢を映し、卓越した職人技は芸術と呼ぶべき洗練を重ねてきた。
フリー素材(Photo ACより)しかし、その歴史の上に立ちながら、21世紀のテクノロジーはそれまでとはまったく異なる軌跡を描く。アルゴリズム、人工知能、ウェアラブルデバイス──本来交わるはずのない宝石とコード、伝統と未来とを結びつけ、新しい言語を紡ごうとする人物がいる。ヴァンドーム広場でキャリアを磨いた、カティア・ド・ラステリエである。