皆さんはフェムケアに関する情報はどこから得ているだろうか?
センシティブな話題で意外とコミュニケーションが難しいこのテーマだが、率先して情報を発信しているメディアがある。それが「女性ホルモン大学」だ。
フェムテック以上に注目のある“キーワード”
まずは、「女性ホルモン大学」を立ち上げた背景を教えてください。
元々弊社は
withmoon®︎の事業において、2014年頃から生理前の悩み(PMS)に焦点を当てた「月のお守り」ブランドでシャンプーの販売を行っていました。その後、サプリメントやデリケートゾーンケア製品など、女性向け商品を次々と開発・販売していきました。
2018-19年頃からは、商品販売を通じて多くの女性が自身の体や生理について十分な知識を持っていないことが明らかになりました。これにより、女性の健康や体について啓発する必要性を強く感じるようになったんです。
このことから生まれたメディアが「女性ホルモン大学」です。当初はwithmoonのオウンドメディアとして活動していましたが、先ほどの必要性を強く感じ、TikTokを中心に女性の健康に関する情報を整理して提供し、生理に関わる女性特有の悩みについて啓発することで、女性自身が自分の体について理解を深めることを目的としています。
フェムテックというワードが一時期メディアでも取り上げられていましたが、御社の体感としていかがでしょうか。
一時期「フェムテック」というワードが注目され、各種賞にノミネートされるなど、トレンドとして脚光を浴びていました。そのため、私たちも「フェムテックとは何か」や「フェムテックの最新アイテム」といった内容を発信していた時期がありました。しかし、意外にもこれらの動画の視聴回数は伸びなかったのです。その一方で、「生理」という具体的なキーワードに対しては、視聴者の関心が非常に高いことがわかりました。たとえば、月経困難症やPMSといった症状についての情報や、それらへの対処法などの話題は、多くの方々の興味を引くことがわかったのです。
「フェムテック」という言葉自体は、実はまだまだ一般に浸透しておらず、一方で生理や女性の健康に関する具体的な悩みや情報は、より身近に感じられ、関心が高いトピックになっているようです。
TikTokを主な情報発信プラットフォームとして選 んだ理由は何ですか?
女性の健康や生理に関する情報へのアクセスは、以前よりも格段に向上しています。かつては親や友人に聞くしかなかった悩みも、今ではインターネットで簡単に調べられるようになりました。この情報の開放性により、多くの選択肢が提示され、オープンに話し合える環境も整ってきています。しかし、この情報の豊富さが新たな悩みを生み出していることも事実です。たとえば、若い世代の間で「ナプキンを開ける音が恥ずかしい」という悩みも出てきているといいます。これは、情報過多により「気にしなければならない」という意識が生まれた結果かもしれません。
このような新しい悩みや若い世代特有の課題に対応するため、TikTokなどの若者向けプラットフォームでの情報発信が重要になってくると考えました。若い世代が直面する問題を理解し、それに応じた情報や解決策を提供することが、現代の女性の健康教育には不可欠です。
時代とともに変化する悩みや課題に柔軟に対応し、適切な情報と支援を提供していくことが、今後の女性の健康管理において重要な役割を果たすでしょう。
私たちは、動画やライブ配信を通して親しみやすい雰囲気で情報を提供しています。単に知識を持っている、教えるという立場ではなく、視聴者が気軽に相談できる場所になることを目指しています。