FASHION TECH NEWSではこれまで女性特有の健康問題をテクノロジーで解決する「フェムテック(Femtech)」についてさまざまな情報を発信してきた。もっと多くの人に関心を持ってもらいたいとの思いから、去る11月15日(水)に初の主催イベントとして、フェムテックをテーマにしたトークショーを開催。
本イベントではどのような講演が行われ、参加者からはどのような反応があったのか。今回は大盛況に終わった「Femtech Talks〜生理関連の知識アップデートと事業づくり」の模様をリポートする。
これまであまり語られなかった“生理事情”をイベントにして問題提起
イベントが行われた会場は新丸ビルにある「
EGG」。ここは、オフィスと交流スペースを兼備し、丸の内という街全体で働く人の“ハブ”となるイノベーションスペースだ。
まずは会場となったEGGを運営するTMIPがどんな活動をし、どんなことを目指しているのかを、
三菱地所株式会社の畔上さんがTMIPを紹介するお話からイベントがスタート。
会場で当日に配られたパンフレット。このパンフレットにはタイムスケジュール、セミナープログラムの紹介、登壇者のプロフィールなどが記載されていた
今回のイベントでは、フェムテック、生理関連事業に多角的に取り組んでいる方々をお招きし、その知見を広めていただいた。女性だけが考える問題と思われがちな生理をさまざまな角度から切り取ったセミナーが繰り広げられた。
さまざまな角度から語られる生理セミナープログラム
最初に登壇したのは、
株式会社おもちゃ箱にてオーガニック&ナチュラル生理用品「
ナトラケア」の企画・PRを担当する佐藤悠さん。
『「そういえば、今日は生理だったな」生理週間を快適に過ごすために選択肢』をト ークテーマに、自身の生理痛や生理不順の経験を基にした生理で悩む女性が多いこと、そして今と昔では、ライフスタイルも違うことで生理の周期や回数も違うことなどをレクチャー。その他、海外の生理事情や生理用品の選び方。オーガニックコットンナプキンの「ナトラケア」の紹介を行った。
トークテーマは「SNSを通じて知る、生理の実情やトレンド、ジェンダーギャップについて」。
学校で受ける生理の授業の内容に満足していない人が85%もいることや、授業だけでは知識が足りないこと、生理には個人差があるので人と比べられないことなどを挙げ、学校教育だけでは生理の正しい知識を学べない現状を解説。
そういった悩みの解決方法として、自社のメディア「女性ホルモン大学」の活用、そして生理用品の選択肢を増やすこと、海外の生理用品の紹介などを行った。
最後に登壇したのは、スポーツ・アスリート向けの吸水ショーツブランドを展開する
株式会社azukiから代表取締役社長の坂上大介さん、そしてその開発に携わった
株式会社TRyASの代表であり、体操選手の杉原愛子さん。
トークテーマは「生理の課題を解決する」。生理の課題がどのようなところにあるかを坂上さんが熱弁。“実は何が課題かに気づいていないという現状がある”という言葉が印象的だった。杉原さんもアスリート目線からの生理問題、それをどのように解決してきたか実体験を語ってくれた。