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2024.02.27

どんなバックパックにも対応する「PAAGOWORKS」のサブバッグ「Switch」の使い方

メーカーを選ばずバックパックのショルダーハーネスに取り付けてチェストバッグとして活用できる「PAAGOWORKS(パーゴワークス)」の「Switch(スイッチ)」がすごい。付属のベルトでショルダーバッグやウエストバッグとしても使えるうえに、細部のパーツを利用してさまざまに応用できる。シンプルに見えて使い道が多彩だ。
そこで株式会社パーゴワークスを訪ね、デザイナーで代表取締役の斎藤徹さんに「Switch」の便利さについて詳しく聞いた。
手前・Switch L 7,700円(税込) 奥・Switch M 6,600円(税込) 他にSwitch XL 8,800円(税込)もあり カラーは写真のDark Beigeの他、Urban Gray、Moss Greenの3種が定番。価格違いのPC Blue(防水モデル)、RP Gray(軽量モデル)もあり
手前・Switch L 7,700円(税込) 奥・Switch M 6,600円(税込) 他にSwitch XL 8,800円(税込)もあり カラーは写真のDark Beigeの他、Urban Gray、Moss Greenの3種が定番。価格違いのPC Blue(防水モデル)、RP Gray(軽量モデル)もあり

これ一つでチェストバッグ、ショルダーバッグ、ウエストバッグにもなる!

街歩きでも山歩きでも、バックパックの他にサブバッグを使うと荷物の出し入れが手早くできる。しかし、サブバッグを肩に掛ければ左右どちらかに荷重が偏るデメリットがあり、首に下げられる重量には限度がある。ウエストに固定する場合も、バランスや重量の問題がどうしても生じる。
「一長一短ありますよね。ショルダーバッグやサコッシュ、ウエストバッグも便利ですが、荷重がバランスよく分散してフィールドで行動しやすく、必要なものを出し入れしやすいのはチェストバッグです。ところがチェストバッグって、なかなか売ってないんですよね。だったら自分で作ろうというのが原点です」
Switch Lの使用例。バックパックのショルダーハーネスにフックで固定すると、チェストバッグになる。荷重が左右に偏らず、重量がバックパックに分散するので肩の負担が減ってとても楽だ
Switch Lの使用例。バックパックのショルダーハーネスにフックで固定すると、チェストバッグになる。荷重が左右に偏らず、重量がバックパックに分散するので肩の負担が減ってとても楽だ
チェストバッグは歩いていると安定感があって快適だが、バックパックを下ろして休憩するときや、宿泊する場合にはサブバッグだけで単独使用したくなる。そんなときは付属のベルトを使ってショルダーバッグやウエストバッグにすれば、貴重品などを常に身につけておけるので安心。
ショルダーバッグ、あるいはボディバッグとして付属のベルトで肩に掛けると、サコッシュよりも物がたくさん入る。しかも身体の側に重心がきて安定感がある
ショルダーバッグ、あるいはボディバッグとして付属のベルトで肩に掛けると、サコッシュよりも物がたくさん入る。しかも身体の側に重心がきて安定感がある
付属ベルトの長さを調節すればウエストバッグとして使用可能。やはり身体の側に重心がきて安定する
付属ベルトの長さを調節すればウエストバッグとして使用可能。やはり身体の側に重心がきて安定する
「テント場や山小屋で過ごすとき、あるいは街でちょっと外出するときなど、バックパックは置いたまま必要なものだけ持ち歩きたいじゃないですか。そういうときは『Switch』単独で、付属のベルトを使って肩や腰に固定すると便利です。チェストバッグ、ショルダーバッグ、ウエストバッグは『Switch』の使い方の基本ですね」

ベルトではなく本体側にフックがついているので、どんなところにも掛けられる

独自設計のGフックは本体側についている。ベルトを掛けることもできるし、テント内に吊るすことも可能。オフィスでイスに掛けておいたり、上着やパンツに掛けて持ち歩いたり ……まさに用途は無限大
独自設計のGフックは本体側についている。ベルトを掛けることもできるし、テント内に吊るすことも可能。オフィスでイスに掛けておいたり、上着やパンツに掛けて持ち歩いたり ……まさに用途は無限大
チェストバッグに限っていえば、バックパックのショルダーハーネスに固定する必要があるので、同じブランドのサブバッグでなければ取り付けるパーツが合いにくかった。ところが「Switch」は汎用性の高いオリジナルのパーツを本体につけることにより、大抵のバックパックに固定できるようになった。
「どんなフックが固定しやすいか、試作品をいろいろ作って検討しました。その結晶がこのGフックです。サブバッグって多くの場合、ベルトのほうにフックやカラビナがついてますよね。それだとベルトを外したとき、サブバッグがどこにも掛けられない。サブバッグのほうにフックをつければ、どこにでも掛けられるようになります」
「Switch」をバックパックの表面にフックで固定し、バックパックのポケットのように使用した例。多くのブランドのバックパックに取り付けられるが、写真のバックパックは「パーゴワークス」の製品「Buddy 33」
「Switch」をバックパックの表面にフックで固定し、バックパックのポケットのように使用した例。多くのブランドのバックパックに取り付けられるが、写真のバックパックは「パーゴワークス」の製品「Buddy 33」
フックを使ってバックパックの側面に「Switch」をタテに吊るした例。どのように取り付けてもスッキリ見えるようデザインされている
フックを使ってバックパックの側面に「Switch」をタテに吊るした例。どのように取り付けてもスッキリ見えるようデザインされている
「Switch」はM、L、XLの3サイズ展開で、なぜかSがない。どうしてないのか聞いてみると、「パーゴワークス」のものづくりの秘密が垣間見えるような気がした。
「アウトドアの道具は自分がフィールドで使いたいもの、あると便利なもの、欲しいものを自分で作るのが原点です。試作品をたくさん作るのが弊社の特徴で、試作の段階ではSもありました。製品としてはSも作れるけど、商品にするにはSは小さくて実用性が低く、売れないんじゃないか。そう判断して当初MとLだけ発売しました。
チェストバッグとしての使用が前提ですから、バックパックのショルダーハーネスの間隔に準じる必要がある横幅は各サイズあまり差がなく、主に高さと奥行で容量に大小をつけるデザインです。実際に発売すると『もっと小さいのがほしい』という声は少なく『もっと大きいのがほしい』という声が多かったので、ペットボトルが無理なく収まるXLを後から展開したんです」
初期段階でラインナップを揃えることより、実用性を重んじて対応していく。斎藤さんはデザイン事務所にプロダクトデザイナーとして勤務後、フリーランスのデザイナーとしてアウトドアのバックパックを中心に製品開発してきた。2003年に「HOBO GREAT WORKS(ホーボーグレートワークス)」を立ち上げた際、初めて製品化したのはチェストバッグだった。
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