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2024.04.26

リピーター続出!アウトドアシーンの救世主、Foxfireの「着る防虫」シリーズ

桜の満開も迎え、暖かい日も増えてきた。すでに夏休みの計画を立てている人もいるのではないか。山や川へ遊びに行く人もいれば、ガーデニングに勤しむ人もいるだろう。
そこで悩まされるのが虫刺されだ。虫除けスプレーや蚊取り線香を使ったとしても、どれほど効果があるのか。特にアウトドアのようなアクティブな活動では、それらを使ったとしても、気づいたら虫に刺されていたという経験は誰しもある。
そこに防虫機能を持った衣服が登場した。それがFoxfireの「着る防虫」シリーズだ。アース製薬と帝人フロンティアが生み出した「スコーロン®」という素材によって、虫が寄ってきても嫌がってすぐに飛び立つという。そこで今回、同ブランドを手掛ける株式会社ティムコのアウトドア部の菅野周平さんと松尾尚紀さんに、「スコーロン®」の開発からその仕組みまでを伺った。
PROFILE|プロフィール
松尾 尚紀(まつお ひさき)
松尾 尚紀(まつお ひさき)

株式会社ティムコ アウトドア部 企画開発課 課長
スコーロン製品の取り扱い開始時からクロージングのデザインを担当。趣味である釣りやトレッキングなどのアクティビティ時に虫に悩まされた自身の経験から、スコーロン製品の開発に着手した。

PROFILE|プロフィール
菅野 周平(かんの しゅうへい)
菅野 周平(かんの しゅうへい)

株式会社ティムコ アウトドア部 Foxfireプロモーション担当 主任
スコーロン製品の取り扱い開始時からプロモーションを担当。自身も釣り好きで、シーズンになると渓流でルアーフィッシングを楽しんでいる。その際はもちろんスコーロン製品を愛用。

4型のフライフィッシングベストが始まり

Foxfireの設立経緯を教えてください。
1969年に釣具の輸入からティムコ社は始まりました。ですが、海外製は日本の気候やサイズ感が合わず、また日本では山岳渓流で釣りをするというフィールドの違いがありました。
そこで当時の社員が、1982年に4型のフライフィッシングベストを作りました。これがFoxfireのブランド設立経緯です。
その後、パラシュートのクロスを使ったウインドブレーカーや川を歩くためのウェーディングシューズの販売をしました。また、ゴアテックスをアウトドアのマウンテンパーカにいち早く取り入れました。
水辺に強いのが弊社の特徴ですが、いまではアウトドア全般を扱っていますし、日本の気候に合わせたものづくりを心がけています。

「着る防虫」、その機能とは?

「着る防虫」と打ち出していますが、「スコーロン®」の特徴はどのようなものですか。
夏のアウトドアには、大きく分けて3つの困りごとがあります。それは虫と紫外線と汗です。これらすべてに対応できるのが「スコーロン®」になります。
「スコーロン®」はアース製薬さんと帝人フロンティアさんが共同開発した、繊維に虫を寄せ付けない特殊加工を施した素材です。弊社のオリジナル素材ではありませんが、国産ということで安心して使っていただけます。
すぐれた防虫性能に加えて、UVカット機能も備わっているのが特徴で、吸汗速乾性も兼ね備えた素材となっています。
防虫とはどのような機能を指すのでしょうか。
防虫の仕組みには2通りあり、揮発型と接触忌避型があります。揮発型は製品から虫が嫌がる成分が出ているものですが、商品を店頭に置いておくだけでも成分が抜けてしまう欠点があります。
それに対して、弊社の「スコーロン®」は接触忌避型です。虫が生地に触れることで足裏から成分を感知して、不快感からすぐに飛び立ってしまうというものです。ですので、虫がまったく寄ってこないというものではなく、飛んできてもすぐに離れていくイメージです。
SCシールドハット
SCシールドハット
防虫機能の持続性はどれくらいですか。
耐久性を売りにしているとはいえ、半永久的に防虫機能が持続するわけではありません。どうしても洗濯をするごとに効果は減っていきます。とはいえ、劇的に効果が落ちるわけではありません。
20〜30回の洗濯後でも80%以上の効果が残ります。一般的な使用であれば、3シーズンくらいは防虫効果を感じられると思います。もちろん、防虫効果がなくなっても、吸水速乾や高いUVカット機能を持つ服として着用を続けていただけます。

約10年をかけてアウトドア衣料として完成した「スコーロン®

興味深い仕組みですが、「スコーロン®」の開発段階から携わられていたのですか。
当時は、帝人フロンティアさんが「スコーロン®」素材で農作業などに使用する作業着をひっそりと作っているという状況でした。それをアウトドア衣料として、どのような素材に落とし込み、どんなデザインにするのかが課題でした。
初めはヘビーデューティー向けで生地がゴワゴワしていたり、普段使いには合わないようなものでしたが、我々が帝人フロンティアさんと一緒に素材開発をするようになり、いまの形に至りました。
SCカーゴパンツ(Men's)
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