日本画家。アメリカ、ワシントンDC出身。1982年初来日。カーネギーメロン大学 絵画科卒業。東京藝術大学大学院日本画科修了。
金、銀箔を駆使した豪華絢爛な琳派の伝統と、その線に特徴を持つ狩野派の筆法を受け継ぎながら、現代的かつ独創的な感性で自然を表現。現在、台東区谷中に繪処アランウエストを開廊し、個人、法人から絵の制作依頼を受けながら、独自の美の世界を開拓している。
作品は、国内外のホテル、マンション、レストラン、神社仏閣、法人、公共施設等に収蔵されている。能の世界にも明るく、能の国内外の公演の背景画として巨大掛け軸を提供するなど、積極的に関わっている。
日本画家にとって最低限必要な画材がいくつかあります。紙、岩絵具、膠(にかわ)、筆などですが、その中でもっとも神聖なものとして、私は紙を挙げたいと思います。今年は大河ドラマ「光る君へ」の中で幾度となく「越前の美しい紙」という表現が出てきて、平安時代はいかに紙が高価なものであったかが注目され、一般の方々にも越前紙と呼ばれる福井県越前市で作られた紙が知られるところとなっています。
その中でも和紙のひとつである鳥の子紙は、金箔や銀箔を多用する私にとっては欠かせない紙の一種です。今から40年ほど前にこの鶏の卵のように白い紙に出会ってから、その美しさと丈夫さに魅了されています。和紙との出会い以前は量産されている紙しか知らなかったので、紙そのものに特に関心を持つこともありませんでした。しかし、日本画で掛け軸や屏風絵を手がけるようになってからは、紙そのものへの関心が高まり、それまでの紙に対する意識とはだいぶ変わったように思います。