フランスから大阪へ、堺の伝統と魅力を伝え続ける鍛冶職人の物語(エリック・シュバリエ)
2025.03.28
フランスから大阪へ、堺の伝統と魅力を伝え続ける鍛冶職人の物語(エリック・シュバリエ)
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PROFILE|プロフィール
エリック・シュバリエ
エリック・シュバリエ

フランス・パリ出身。幼少期から日本語と日本文化に関心を持ち、INALCO(フランス国立東洋言語文化学院)の日本語学科で学ぶ。2012年にワーキングホリデーで来日し、大阪・堺市で22代目刀鍛冶・平川康弘(ひらかわ やすひろ)氏に師事。外国人として初めて、伝統工芸士のもとで5年間の鍛冶修行を修了した。現在は堺市で自身の包丁ブランド「De Sakai」を運営し、堺市産業振興センターのコーディネーターとしても活動している。

初めて日本を訪れた際の一枚
初めて日本を訪れた際の一枚

フランスでの出会い

私が初めて日本と出会ったのは高校生のときでした。隣の席の友人が日本の音楽を聴いていて、その美しい言葉にすぐに魅了され、「この言語を学びたい」と強く思いました。もともと外国語が好きで、スペイン語や英語、中国語、韓国語を学んでいましたが、日本語は特に魅力的で、発音するのがとても心地よい言語だと感じました。

最初の2年間は独学で学び、その後、経営学を学ぶために通っていたパリの夜間学校で初めて日本人と出会い、「日本人は親切で誠実な人が多い」と感じました。その経験から、日本についてもっと深く学びたいと思い、経営学をやめて2009年よりパリのINALCO(フランス国立東洋言語文化学院)で日本の文学や歴史、芸術、言語を学びました。特に、縄文・弥生・古墳時代といった、あまり語られることのない歴史に強く惹かれました。私にとって、日本の本当のルーツは仏教伝来以前のこれらの時代にあると感じたのです。

私の家族はフランス・ブルターニュ地方の出身です。ブルターニュにもキリスト教伝来前の独自の文化があり、古代日本と似た点が多くありました。私は知らず知らずのうちに、日本に親しみを覚えていたのです。

2011年には、友人と東京への旅行を計画していました。しかし東日本大震災と原発事故が発生したため、友人たちは旅行を断念。私は翌年の2012年に日本へ行くことを決めました。
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