パフォーミングアーティスト/能楽師。「シアター能楽」の創設メンバーである。 これまでに、ウースター・グループ、リチャード・フォアマンの『存在論的ヒステリック』、ピーター・シュマンの『パンと人形』、田中泯の『舞塾』など数多くの公演に携わり、ヨーロッパ、北米、アジア各地で活躍。ニューヨークのパフォーマンスグループ「GAle GAtes et al.」の創設メンバーでもある。喜多流能楽師範。武蔵野大学と法政大学で能や日本舞踊の講義も行っている。
「Less is more(過ぎたるは及ばざるがごとし)」という言葉は、芸術の世界でよく引用される格言です。一方で、私の出身国であるアメリカでは、グレイトフル・デッドというバンドが「too much of everything is just enough(何事も多すぎるくらいがちょうどいい)」という言葉を広めました。 アメリカは、モノの過剰生産・過剰利用によって成長し、繁栄してきた国です。 25年前に能を学ぶために日本に移り住んだとき、私はいくつかの演技テクニックを習得してニューヨークに戻り、自分が探求している作品に取り入れるつもりでした。