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ロッチ・コカドケンタロウが魅了された、奥深すぎる「ミシン」と「生地」の世界
お笑い芸人ロッチのコカドケンタロウさんが、相方の中岡創一さんに結婚祝いとして自身が裁縫した赤いチェックのホルダーをプレゼントしたことが話題になった。知らない人からすると、素敵なコンビ愛と思うかもしれないが、実は裏話がある。
コカドさんは、製作したシャツやパンツなどをInstagramで公開し、インスタライブでも製作過程を配信しているほどミシンにハマってしまった一人なのだ。
お笑いとミシン。ここにどういった繋がりがあったのだろうか。今回、コカドさんにミシンとの出会い、そして生地選びや製作の面白さなどを語っていただいた。
コカドさんは、製作したシャツやパンツなどをInstagramで公開し、インスタライブでも製作過程を配信しているほどミシンにハマってしまった一人なのだ。
お笑いとミシン。ここにどういった繋がりがあったのだろうか。今回、コカドさんにミシンとの出会い、そして生地選びや製作の面白さなどを語っていただいた。
PROFILE

コカドケンタロウ
1978年8月8日生まれ 、大阪府出身
お笑いコンビ・ロッチのツッコミ担当
40 歳から熱中できる趣味を探し求め、43 歳でミシンに辿り着く。
NHK「土スタ」、NHKラジオ「さくらひなたロッチの伸びしろラジオ」でMCを務める。
毎週月曜 22:00よりYouTube「ロッチナイト」を生配信中。
趣味探しと原点
裁縫を始めたきっかけを教えてください。
新潟でアイドル番組を担当させてもらい、毎週アイドルオタクの方たちと触れ合う機会がありました。他人の目を気にせず、アイドルの応援に夢中になる姿を見て、「すごく人生が豊かやな」って思ったんですよ。当時、39歳だったかな。僕も夢中になれる趣味がほしいと思って、40歳になってからゴルフやギター、料理とかに手を出してみたんですが、それほど熱くなれなかったんですよね。
どこかで「仕事に繋がればいいな」とか、「他の人はこの趣味をどう見てるだろう」っていう邪念があったんやと思います。お金や仕事のことを考えないで、「本当にやりたいこと、好きなことはなんやろ」って考えたときに、「古着や」と思いました。
それが43歳のとき。ハマるかわからへんから、中古で5、6万円くらいのミシンを買ってきて、悪戦苦闘しながら始めたらのめり込んじゃって、もう2年半経ちましたね。
それが43歳のとき。ハマるかわからへんから、中古で5、6万円くらいのミシンを買ってきて、悪戦苦闘しながら始めたらのめり込んじゃって、もう2年半経ちましたね。

ワタナベエンターテインメントの事務所も原宿にありますが、道中の古着屋さんにふらっと立ち寄ったりしますか。
自分で服を作るようになってからは、ほとんど服を買わなくなりましたね。今まで持っていた古着をちょっとミシンで直したり、アレンジしたりして着ています。だから、洋服屋さんや古着屋さんに足を運んでも、買うというより「どうやって縫ってるんやろ」みたいなことを確認しています。嫌な客だと思いますよ(笑)。

裁縫をしていて、一番楽しい作業と嫌な作業を教えてください。
楽しいのは、やっぱりミシンを踏んでいるときですね。特に完成直前のミシンがけはずっとわくわくドキドキしています。一番嫌なのは生地を切っているときかな。型紙を作るのはそんなに嫌じゃないけど、生地を切るのがちょっとつらい(笑)。
好きなミシンをやる前に絶対やらないといけない作業というイメージがありますね。嫌なことを乗り越えないと好きなことができないので、「これも人生だな」って考えながら作業しています。
そうした作業を経て完成が近づいてくると、夜も寝ずに作業してしまいますか。
僕は睡眠を一番大事にしているので、寝ちゃいますね。ただ、寝る直前までミシンを踏んでいて、横になって「もう少しこうしたほうがいいかな」って考えているうちに、いつの間にか寝ちゃうんです。だから、起きた瞬間からそのアイディアを形にしようと、ミシンの前に座ってしまいますね(笑)。

販売を目的としては作らないと聞きました。芸人仲間からは何か作ってほしいと言われたりしますか。
作ってくれってのもあるけど、僕が持っていたバッグとかを「それいいな」って言われたら、その場であげることが多いですかね。思い入れがあると、プレゼントすることに躊躇しませんか。
自分が作れるものだったら、また作れるじゃないですか。二度と手に入らないものとかだったら困っちゃいますけど。だから、相手が喜んでくれるなら、全然あげちゃいますね。
生地は一期一会
生地はどういったところで仕入れていますか。
最初、裁縫を始めたことを友達に話したら、生地を買うなら日暮里がいいよって教えてもらいました。あとは新宿のオカダヤさんとか、渋谷のTOAさんにも足を運びます。最近では、街を歩いていて偶然見つけたり、ネットで情報収集したり、いろいろですね。ロケ地でも、ちょっと時間があったら調べてますよ。
生地を買うときの基準はありますか。
「こんなん作りたい」と思ってそれに必要な生地を求めていくときと、「この生地が売ってるならあれ作ろう」という2パターンですかね。たとえば、この花柄のバッグは最初から「こういう生地が欲しい」と思って、探しにいったものです。花柄って、どうしてもおばちゃんっぽくなってしまうから、「これだ」って思うものになかなか出会えなくて。
行きつけの下北沢のお店に行ってみたら、ちょうどこの花柄の生地が売ってたんです。派手さの中に落ち着いた感じがあって、「これが本当に求めていた花柄だ」ってうれしくなりましたね。
行きつけの下北沢のお店に行ってみたら、ちょうどこの花柄の生地が売ってたんです。派手さの中に落ち着いた感じがあって、「これが本当に求めていた花柄だ」ってうれしくなりましたね。

探すのが難しかったのはサーフパンツの生地かな。水着の生地ってどうしたらいいのかまったくわからなくて、自分の持ってるものをチェックしたら、「ナイロンタッサー、ワッシャー」って書いてあって、なにがなんだかわからなかったですね。
それでもひとまず生地屋さんに行ってみて、ナイロンとかポリエステルなどを手に取って、少しずつ知識を身に付けながら前に進んでいってる感じです。
それでもひとまず生地屋さんに行ってみて、ナイロンとかポリエステルなどを手に取って、少しずつ知識を身に付けながら前に進んでいってる感じです。

作るアイテムによって、素材を変えたりしますか。
生地だけ先に買うことも多いので、あとでじっくり何にするか考えますね。あとは、その時々に個人的なブームがあって、素材にこだわることもあります。前はウールが好きでウールでいろいろ作ってましたけど、今は麻かな。「この生地であれを作ったらどうなんだろう」とか考えてます。学校で生地について学んだわけじゃないので、いろいろと手を出してみたくなるんでしょうね。
僕はメイド・イン・USAの生地が好きで、よくチェックするんですけど、一期一会みたいなところがあります。「いいな」って思ってもそのときにしか売ってないことが多いかも。
これまで作られたもので、「この素材を扱うのは大変だった」というものはありますか。
一番大変だったのは、iPadを入れているケースですね。精密機械だから、中にふわふわなクッション的なものを入れなあかんなと思って。なにを思ったか、豆腐が入っていた外側がアルミの保存袋があったので、これをコットンと一緒に縫おうとしたら、もうツルツル滑って全然うまいこといかへんくて大失敗したんですよ。
始めて1ヶ月くらいの頃だから縫製もめちゃめちゃやったんですけど、破れたところを補強しながら使ってきて、今の形になっています。でもiPadが入れられれば、失敗も失敗じゃないんやって思い始めて、気が楽になりましたね。

興味あるものはチャレンジしたい
いろいろな生地を手に取られてきたと思いますが、これから挑戦してみたい生地はありますか。
実は試したい生地があって、「ノースフェイスに、めっちゃ薄いのに冬は暖かくて夏は涼しい生地がある」って相方の中岡くんが教えてくれたんですけど、生地自体は売ってないんですよね。ノースフェイスのものじゃなくてもいいんですけど、そうした機能性のある生地で縫ってみたいかな。
作ってみたいアイテムはありますか。
アウターを作ったことがないんで、スーベニアジャケットは気になってます。ベトナムジャケットって、トラとか竜の下手くそな手縫いの刺繍が大きく入ってるじゃないですか。あれが好きで、刺繍込みで作ってみたいですね。
あとは、本物のレザーでライダースジャケットも作ってみたいかな。どうやって作るのかまったく想像できないですが(笑)。

11月27日に、著作『コカドとミシン』が刊行されますね。
今まで作ったアイテムをかっこよく撮ってもらいました。それから、僕がそのアイテムを使ってるところも撮ってもらってます。アイテムの作り方も紹介していて、型紙を2次元コードでダウンロードできるようにしています。僕が着ているパンツやシャツで気に入ったものがあれば、ご自身でもミシン製作にチャレンジしてほしいですね。
あとは、今日お話ししたような内容をエッセーとして載せています。

ファンの方に向けてメッセージをお願いします。
ありがたいことに、僕がミシンを始めてからお笑いファン以外の方にも知ってもらう機会が増えて。僕のことを芸人とは知らず、ミシン男子だと思っている人も多いんじゃないかな。だから、インスタで「今度コントのライブします」って告知すると、「あなた何者なんですか」ってコメントが来るんですよ(笑)。「うちの子どもにも作ってください」といった声も多くいただいていて。応えてあげられないけど、ありがたいですね。
「型紙を教えてください」、「作り方を知りたいです」という声もとても多いので、そういった方々には、ぜひとも「この本や僕の作品を見て作ってみてください」と伝えたいですね。















