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圧倒的な希少性 NewBalance(ニューバランス)「1300JP」の5年に1度だけ復刻される理由とは?

2025.05.29
かのラルフ・ローレン氏が“まるで雲の上を歩いているようだ”と評したニューバランス「1300」。同ブランドのクラフトマンシップと伝統を詰め込んだ名機は、「1300JP」として2010年から5年ごとに登場している。そして本日5月29日にその「1300JP」が待望の復刻。今回は「ニューバランス」とも親交の深いミタスニーカーズの国井さんに「1300JP」の魅力や5年に1度リリースされる理由について伺ってきた。

2010年からスタートした日本企画の「1300JP」

“スニーカー界のロールス・ロイス”と呼ばれたり、ラルフ・ローレン氏が大絶賛したりといった逸話を残し、その卓越した履き心地と完成されたデザインで、時代を超えてタイムレスな人気を博すニューバランス「1300」。
日本企画としてその発売当時の仕様を精緻に再現し、2010年から5年に1度リリースされている「1300JP」は、もはや伝説的な品番としてスニーカーファンを楽しませている。そして本日5月29日には、ブランドのレガシーを称える“GRAY DAY”を祝うべく、「1300JP」の第4弾が登場した。「1300」の歴史に関して国井さんに伺うとこう答えてくれた。
発表当時の仕様を精緻に再現した「Made in USA 1300」の日本企画より、5年に1度のリリースとなるJPシリーズ第4弾である「U1300JP4」。老舗タンナーの「ホーウィン」社の上質なヌバックレザーを採用しているのも見どころ。59,400円(税込)
「『1300』はいろいろと逸話のある品番で、その逸話は皆さんもご存じのとおりかと思います。元々『1300』は『1300CL』と『1300J』と表記されたモデルが存在していました。当時はブランドの直営店と『ミタスニーカーズ』と『オッシュマンズ』だけという、販路をかなり限定して販売されていたモデルだったんです。
ミッドソールにフルレングスで搭載されたENCAPが提供する優れたクッション性と安定性は、まるで雲の上を歩いているような履き心地
そこから紆余曲折を経て、一旦『1300CL』の販売をやめようということになり、『1300J』の希少価値が高まってきたんです。だからコンシューマーとしては『1300CL』が現行品、『1300J』がスペシャル品のような認識でしたね。そこから『1300J』も5年おきに発売するという周期が2010年に生まれて、伝説的な『1300JP』として発売されるようになったのです」

「Vibram®(ヴィブラム®)」ソールのロゴが黄色じゃない!?

発売当初のディテールを忠実に再現することで話題の「1300JP」だが、今回もそこへのこだわりは冴えわたっているようだ。それに関しても国井さんはこう続ける。
「今回のアッパーにも、前作の『1300JP3』から採用されているアメリカの老舗タンナー『ホーウィン』社から調達した、最高級のヌバックレザーがふんだんに使われています。
NBロゴやタンラベルとヒールタブの®マークを取り除くなど、オリジナルのオーセンティックなデザインとクッション性はそのままに、細部のディテールをアップデート
サイド部分の“N”ロゴも特徴的な部分のひとつ。1985年のオリジナルは、職人が手で縫っていたのでステッチが直線じゃなかったり、端に寄りすぎていたりします。でも、オートメーション化された現代の工場では、綺麗なステッチラインで縫うことはもちろん可能です。
“N”ロゴのステッチが直線ではなく、カーブしているなど当時の仕様を細かく再現
それはもちろん良いことではありますが、綺麗に縫ってしまうと完全な復刻とはいえないので、ステッチが丸みを帯びている細かい部分も再現しています。またアウトソールにブーツなどにも採用されるグリップ性と耐摩耗性に優れた『ヴィブラム®』製のラバーソールを採用しているのは、発売当時のモデルから変わっていません」
ここで国井さんが「ヴィブラム®」製のソールに関して面白い逸話を聞かせてくれた。
「本来、アウトソールに『ヴィブラム®』ソールを使う場合、『ヴィブラム®』のロゴはイエローになる仕様なのですが、実は『1300JP』のソールにレイアウトされる『ヴィブラム®』のロゴは、当初からソールの色と同じ黒なんです。
「ヴィブラム®」ソールのロゴも、周りと馴染むように、あえて黒で統一されているのもしっかり再現している
これは、本国の『ニューバランス』本社と『ヴィブラム』本社が昔からいいリレーションを保っているため、イエローではなく黒いロゴの使用が実現しているのです」

量産できないからこそ価値がある

ここでひとつの疑問が浮かぶ。「1300JP」はなぜ5年に1度のリリースなのか。もちろん特別感を演出する意味も込められているが、その部分に関しても国井さんはこう答えてくれた。
「『1300JP』では、いかに1985年のオリジナルに近づけるか、その試行錯誤を繰り返しながら商品化するわけですから、時間もかかってしまいます。
先ほど説明したサイドの“N”ロゴひとつとってもわかるように、当時の味を忠実に再現するためには当時を知る職人の技術が必要になりますし、その技術を新しい世代に継承していかなくてはなりません。
そういったこだわりが細部に宿るのが『1300JP』というモデルなのです。だから量産ができず、定期的な復刻販売になってしまうのだと思います」
当時を再現した青シューズボックスを採用し、付属のシューズバッグのロゴがタンのロゴと同じ14本バーに変更された。シューズバッグには“2025 Limited Edition”の文字が描かれる
まだ先の話にはなるが、この流れで行くと5年後にまた『1300JP』が復刻されることは皆が予想することだろう。この流れを国井さんはどう捉えているのだろうか。
「この5年で『ニューバランス』のイメージが劇的に変わったと思います。アーカイブモデルの復刻でY2K世代にもその人気が定着してきたし、アメリカのMLBや欧州サッカーなど、スポーツの世界でもかなり『ニューバランス』を目にする機会が増えたと思います。
その状況の中で、ブランドのフラッグシップであり原点でもある『1300』が、Y2K世代の目にどう映ってどう評価されるのか、非常に興味深いですね」
今回もキッズ版がリリースされる。アッパー素材に上質なリアルヌバックを採用し、耐久性とグリップ力に優れたフルラバーアウトソールと安定性を確保するCRカウンターをヒールに搭載するなど、本格的な仕様に。アジア製。16,500円(税込)
確かに若い世代がどうスタイリングに取り入れていくかなどは、興味が尽きないところではあるが、「1300JP」の魅力が色褪せることはないだろう。「1300JP」が新たな伝説を築き上げていくことに期待したい。

PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)

mita sneakers クリエイティブ ディレクター
東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでクリエイティブ ディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛けるが、ニューバランス関連でのコラボや別注でもその手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店
TEL:03-3832-8346
営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30
https://www.mita-sneakers.co.jp/

Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)

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