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植物由来成分は危険!? OSAJI(オサジ)が提唱する「真に安全な化粧品」とは

2025.11.21
近年、自然派・オーガニック化粧品市場が拡大し、植物由来成分を配合した化粧品が数多く登場している。しかし、それらが本当に“安全”なのかは、たびたび議論の的となっている。
そこで今回は、「真に安全な化粧品」を掲げ、皮膚科学に基づいた製品開発を行う化粧品ブランド OSAJI(オサジ)に注目。創業者であり代表の茂田正和さんに、植物由来成分の“安全神話”への考え方や、開発へのこだわり、そして肌本来の力を引き出すスキンケアのあり方について話を聞いた。

PROFILE

茂田 正和(しげた まさかず)

株式会社OSAJI 代表取締役

きっかけは「安全なはずの化粧品」への疑問から

OSAJIに対して、“ナチュラルコスメ”のイメージを抱いている人は多いだろう。しかし実際のところは、自然由来成分のみにこだわるのではなく、皮膚科学に基づいた化粧品開発を行っている。
「OSAJIを立ち上げたのは、僕の母が交通事故にあってPTSDになり、肌に湿疹が広がってしまったのがきっかけです。母はそれまで“食べられる化粧品”をコンセプトにしたブランドを愛用し、とても信頼していたのですが、それも使えなくなってしまったのです。
母の嘆きを聞いているなかで、『食べても安全なはずの化粧品がなぜ使えないんだろう?』という疑問が生まれました。叔父が皮膚科専門医だったので、敏感肌用のサンプルをたくさん送ってもらったのですが、母が唯一使えたのは、4〜5個の成分からできたシンプルな化粧品でした。僕はこれなら自分でも作れそうだと思い、シンプルな化粧品の原料を取り寄せ、自宅のキッチンで開発を始めたのです。
叔父から、皮膚疾患がなかなか治りにくい人でも、温泉に入ると状態がよくなることがあると聞いていたので、シンプルな成分に温泉水をプラスして試作品を作りました。母が使えるものはすぐにできたものの、納得のいくものが完成するまでには半年かかりました」
母のために自宅キッチンでスタートしたOSAJIは、肌悩みを抱える多くの人から支持を集め、現在では国内の百貨店や商業施設に店舗を構えるまでとなり、2024年からは海外展開も始めている。

「食べても安全=肌に安全」ではない

皮膚科学に基づいた化粧品は市場にも多く展開されているが、OSAJIが考える「皮膚科学に基づく化粧品」とは、具体的にどのようなものなのか。
「母の後遺症に向き合うために化粧品作りをしながら、皮膚科学の学びを深めました。なぜ肌はターンオーバーするのか、バリア機能はどのように作られてはたらくのか、皮膚にはどんな菌がいて、どのような役割をもっているのか。研究していくうちに『食べても安全=肌に安全ではない』ということを確信しました。そして、化粧品は肌に浸透させない方がよいことにも気づいたのです。
OSAJIでは化粧品に特別な効果をもたせるのではなく、皮膚科学に基づいて、大気汚染や相対湿度の低下、あるいは洗顔のしすぎなどで衰えてしまった“人の生理的なはたらき”を正すことを重要視しています。実際のところ、メディアやSNSに溢れている間違った情報を取り入れて、肌本来の力を弱めるスキンケアをしている人が多いのです。
そのほかにも、広告の宣伝文句によって誤った情報が定説になっているため、OSAJIは皮膚科学に基づく正しい情報を発信していくことも大切だと考えています」

真に安全な化粧品の条件とは

では、OSAJIが考える「真に安全な化粧品」とは、どのようなものなのか。
「安全を考える上で、一時的なヒリヒリ・チクチクする刺激よりも、“タンパク質由来アレルギー”がもっとも怖いと考えています。一時的な刺激は低分子化合物によるもので、使うのをやめれば治りますが、タンパク質由来アレルギーは人命に関わることもあります。
化粧品に含まれているタンパク質由来成分が原因でアナフィラキシーを起こし、原因となる食品が食べられなくなる事態につながるケースがあります。人命に関わらずとも、化粧品によってユーザーのQOLを低下させることはあってはなりません。
よって、『天然由来、植物由来だから大丈夫かNGか』という、単純なマルバツで判断することはできません。ナッツオイルも、分子量が大きいタンパク質が含まれているからといって、すべてNGというわけではなく、成分の特徴を捉えて判断する必要があります。
OSAJIでは、アレルゲン指定成分の有無だけでなく、化粧品に配合する成分を『何の目的で、どのように、どのくらいの濃度で使うか』を慎重に検証しています。顔かボディか、目元かなど、使用部位によっても異なるので、それぞれにおいて研究が必要です。
化粧品を選ぶ際は、天然由来、植物由来かどうか、動物実験の有無やパラベン有無といった端的な要素だけでなく、メーカーが提唱している安全性や試験の内容を知ることも重要だと思います」

バリア機能と美肌菌に着目したスキンケア

OSAJIのスキンケアは、美肌菌と肌のバリア機能に着目して開発されている。
「皮膚常在菌のバランスは、健やかな肌にとってとても大事です。美肌菌が十分にあり、さまざまな菌のバランスが健康的な状態で存在していると、菌が皮脂を分解して、肌に有益な短鎖脂肪酸(コハク酸、酪酸など)やグリセリンに変え、肌の表面を弱酸性にしてくれます。
この弱酸性の環境が、病原菌やウイルスの繁殖を防ぐ役割を果たしています。OSAJIのスキンケアでは、菌がきちんとはたらくように整えることを重視した処方になっています。
また、肌のバリア機能は“適度”な状態が正しいと考えています。バリア機能の高さは角質の厚さで決まりますが、角質は灰色に見えるため、厚すぎると肌がくすんで見えてしまうのです。バリア機能が壊れると、本来は体内に入ってこない花粉などのアレルゲンや外的要因によって、炎症などの肌トラブルにつながります。
肌のバリア機能が適度に整っていれば、キメが整い、透明感が出て、毛穴が目立ちにくくなります。この肌状態であれば、薄付きのファンデーションでも美しい肌に見えるのです」

「真の安全」をすべての人に。OSAJIの挑戦と未来への展望

OSAJIはメイクアップ用品も展開しており、そこにも自社のこだわりがある。
「OSAJIは“敏感肌用”ではなく、“インクルーシブ(包括的)”な製品を目指しています。OSAJIは“真に安全な化粧品”を世に送り出し、敏感肌の人に安心感を与えるだけでなく、目が見えないなど、どんな人でも肌質を選ばずに使えて、スキンケアやメイクが楽しいと思えるようなものを作りたいと考えています。
肌が非常にデリケートな人でも、メイクの色素成分が肌に触れなければ使える場合も多いため、OSAJIでは色素をコーティングするなどの工夫をしています。また、メイクしながらスキンケアができることも重要で、バリア機能の修復効果をもたせることも目指しています。今はまだ研究中ですが、使っている間に肌が改善していくような製品を目指したいですね」
こうした理念に基づく製品に対し、OSAJIユーザーからはどのような声が届いているのか。
「敏感肌の方が喜んでくれているのはもちろんのこと、『敏感肌ではないが調子がいい』『なかなか荒れない化粧品に出合えなかったけど、OSAJIなら大丈夫!』といったお声を多数いただいています。
OSAJIの製品や情報発信を通じて、ユーザーに“どんな肌でもやるべきスキンケアは同じ”だという僕たちの考えが、受け入れられていると感じています」
さらにOSAJIは、こうした製品を持続的に届けるため、化粧品業界の未来も見据えている。
「日進月歩でさまざまな製品、成分が開発されています。科学的な進化は重要ですが、化粧品は持続的に使えることが大切です。
現状では、日本は化粧品原料の7割以上を輸入に頼っています。東南アジアの化粧品市場規模が日本の市場規模を上回り、右肩上がりで成長していることを考えると、将来的には日本に十分な量の原料が入ってこなくなる可能性も無視できません。
このような状況を鑑みて、これからOSAJIでは、日本の資源を使って化粧品原料を作る取り組みに力を入れたいと考えています。クリーンビューティーという観点だけでなく、自国の農業の力をもって化粧品原料を生み出したいのです。
今、OSAJIが大切にしてきた科学的な肌への効果を実証しつつ、OSAJI独自の成分開発を目指して取り組んでいます。自給原料でヘアオイルなどをどのくらい作れるか、検証を続けているところです」
OSAJIの製品開発の根底には、創業者の茂田さんの体験から生まれた、徹底した皮膚科学への探求心と、「真に安全なものをすべての人へ届けたい」という強い信念がある。OSAJIの日本の資源を生かした持続可能な化粧品作りへの挑戦に、今後も注目していきたい。

Text by 継田 理恵(美容家/ライター)

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