

服と人
穿き込んだ20年! 今井翼が積み重ねてきたアメカジ
PROFILE
今井 翼(いまい つばさ)
アーティスト
1995年より芸能活動をスタート。俳優、歌手、タレントとしてテレビや舞台など幅広い分野で活躍している。2012年にはスペイン文化特使に就任するなど、フラメンコにも深く向き合ってきた。ディナーショー「TSUBASA IMAI 2026『Date with You』」リーガロイヤルホテル東京公演では、2026年4月18日(土)の追加公演も決定している。
PROFILE
藤原 裕(ふじはら ゆたか)
ベルベルジン・ディレクター
原宿のヴィンテージショップ『ベルベルジン』店長。ヴィンテージデニムマイスターとしても認知されている一方、多くのブランドでデニムをプロデュースするなど、現在のデニム人気を担っている。

出会いは20年前。当時から大人顔負けのヴィンテージラバー
藤原翼くんと出会ったときのことは覚えているんですけど、いつのことだったのかがあやふやで……(笑)。
今井おそらく20年くらい前ですね。10代の頃から古着が好きだったので、いろいろ調べていくうちにベルベルジンのことを知って、20代前半にお邪魔したんです。それが藤原さんとの初めての出会いでした。90年代中〜後期で、当時原宿のとんちゃん通りではゴリーズやヴォイス、他のエリアでは恵比寿のセカンドブームへ通っていました。
藤原そんなに前でしたか(笑)。翼くんは若い頃から自分の古着スタイルが完成されていたといいますか、リーバイスのジーンズやGジャン、スカジャンなど王道を行っているイメージが強いです。
今井ありがとうございます。だいぶ背伸びをしていました(笑)。
藤原最初はデニムが欲しくてうちのお店に来てくれて、その時に501XXを買ってくれたことは覚えています。その後にGジャンやスウェットも買ってくれましたよね。そもそも何でアメカジが好きになったんですか?

今井中高生の頃はブームだったんです。お仕事で着させていただく衣装もヴィンテージデニムが多かった時代でした。あとは先輩が着ているデニムや履いているブーツを見てかっこいいなって思ったり。中高生のときは原宿や上野にもよく行っていました。ナイキのエアマックス95やエアフォース1なども履いていました。
藤原当時のアメ横はそういうお店がいっぱいありましたね。懐かしいなあ〜。エアマックスは普通に買えました?
今井いや。定価では買えませんでした。
藤原あ、やっぱり。90年代後半のピーク時は、竹下通りのスニーカーショップで、イエローグラデーションのサイズ「9」が24万円で売られていましたが、即売れていたのでびっくりした記憶があります。
今井そんなに!? さすがにそこまでではなかったです(笑)。
アメカジに出会って約20年。長く愛用したいと思えたのがRRL

藤原今日の翼くんは全身RRLですが、僕の中で翼くんといえば、ここ数年はこのイメージが強いです。
今井ある程度ヴィンテージに触れて年齢を重ねてから出会ったのですが、ヴィンテージを知ったうえで触れるRRLは、単なるレプリカではなく、いま着るための完成形だと感じました。本当に素晴らしいなと思います。このボアジャケットもめちゃくちゃ暖かくて、驚くほど軽いんです。

藤原おそらくヴィンテージのB-11がベースとなっていると思いますが、ヴィンテージだと内側に詰めたアルパカが重いんです。でも、これはすごく軽いですね。
今井そうなんです。シルエットも適度にシェイプされていて今っぽいですし、アジャスターを使って微調整もできるから便利です。
藤原2006年にラルフローレン 表参道店が誕生して、その後RRL表参道ができてからはちょくちょく買いに行かせてもらっています。自分の中で勝手に、“古着屋さんが着用してもいいブランドの服”というものがいくつかあって、RRLはまさにその筆頭です。
昔からバイヤーチームがしっかり機能していて、サンプルとなるヴィンテージウエアを大量に所有していますし、何よりスタッフの皆さんの造詣がとても深い。商品もかっこいいわけですよね。
今井そうですよね。僕の中ではずっと着続けるブランドです。
藤原あと気になったのがそのジーンズ。これはまさかうちで買ってくれたやつですか?


今井そうです。ずいぶん前に藤原さんに接客していただき、買わせてもらった501XXです。
藤原あ、やっぱり! 懐かしいです。買ってもらったときは色が濃かったけど、いい感じで色落ちしていますね。
今井藤原さんに教わってから自分で糊付けをして、5年ぐらい穿き続けたらこうなりました。
藤原うれしいなあ〜、糊付けをして穿き込んでくれていて。当時は自分で色を落としたいということだったから、少し濃いめのものを買ってもらったんですよね。今でこそ糊付けが一般的になっていますが、翼くんはうちで糊付けを商品化する以前、スタッフが自分のジーンズで試しているときからやっていましたね。
アクセサリーも、アメカジと相性のいいものをチョイス

今井30代の頃、ジョニー・デップのファッションに影響を受けて、それ以来アメカジのときにかぶるハットといえばステットソン一択です。RRLと同じく伝統がありますし、細部意匠やパーツひとつひとつが本物であるというか。もちろんヴィンテージも所有しています。レザー部分に縮みが出たりして、それもまたいいんです。
藤原僕も過去にはステットソンもトライしましたが、帽子自体がまったく似合わなくて断念しました(笑)。ただ最近、後輩が手掛ける帽子ブランドで作ったものが今春に上がってくるので、これを機に本格的に帽子デビューをしようと思います。
今井 そしてこれは昨年、古着屋で一目惚れをして購入したバングルです。

藤原スワスティカ、いいですねー。ターコイズもそうですが、ネイティブアメリカンのアクセは最近また値段が上がっていますよね。スワスティカの彫金が入っているのでおそらく30年代のものですね。
今井この手のアクセも好きですし、自分のスタイルにも合うのでちょくちょく買っています。
藤原たしかに、翼くんにはぴったりですね。
今井そしてこれが最近購入した、レッドウィングのチェルシーブーツです。

今井ワークブーツは大好きなのですが、紐を結んだりするのが煩わしくて。であれば、一般的なサイドゴアでもいいかといえばそれは嫌で、デニムやワークパンツと合わせたときに、トゥのボリューム感はマストに! そんな僕のわがままを、このブーツが叶えてくれました。
藤原あれ、白ソールなんてありましたっけ?
今井よくぞお気づきで。じつは通常の黒レザーには黒のソールがついているのですが、オプションでソールとステッチを白に替えてもらったんです。
藤原あ、やっぱり。一瞬、新モデルが出ているのかと思いました。僕は逆に、いま履いているブーツのソールを白から黒に替えてもらおうと思っていたところで。それこそRRLの服と相性が良さそうですね。
今井 デニムと同じく、ここから履き込んでいこうと思います。
藤原そういえば翼くんのインスタを拝見しましたが、素敵な時計コレクションですね。
今井頻繁に買えるようなものではないので、コレクションと呼べるほど持ってはいませんが、ロレックスは好きです。

藤原同じロレックスラバーでも、僕はヴィンテージしか買ったことがなくて。もともと興味を持ったきっかけが、自分の生まれ年のロレックスが欲しいというところから入っているから仕方ないんですけど。
今井あと“アメカジ=ロレックス”みたいな印象はありますよね。
藤原そうですね。特に僕たちの世代では、そういう人たちが多いと思います。昔はロレックスに憧れを抱きつつ、当時大人気だったG-SHOCKをつけて。同じアメカジでも大人はロレックス、若者はG-SHOCKっていう。
今井あ、G-SHOCKは僕も買いました。かっこいい時計ですよね。
今度こそ実現させる男の約束

藤原 それは僕も同じです。出会ってから20年くらい経っているので当たり前ですが、翼くんはすごく大人っぽくなったなあっていう印象です。いまいくつですか?
今井 44歳です。
藤原本当にいい年齢の重ね方をしているというか、今日のファッションもセレクトしてくれたアイテムも含めて、本当に素敵な40代だなって思います。大昔に買ってくれた501XXもいまだに大事に穿いてくれていて感激しました。
今井 またヴィンテージやアメカジでわからないことがあったら、連絡させていただきますね。あ、今度こそ、本当にご飯行きましょう。
藤原あ、本当ですね。「飲みに行きましょう」って言ってからすでに4〜5年は経っているので、今回こそ絶対に行きましょう。
──出会ってから約20年。若き日に手にしたリーバイス501XXを穿き込み、自分なりの解釈でRRLやステットソン、ロレックスを重ねていく今井さんのスタイルは、流行ではなく、“感性の積み重ね”の証しだ。ヴィンテージを知り、再現を楽しみ、自分の時間を刻んでいく。変わらない信頼関係とともに、今井さんのアメカジはこれからも静かに深化していく。
Photo by Akinori Kawanishi
Text by Kei Osawa












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