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スケーターやミュージシャンから愛される「VANS OLD SKOOL(ヴァンズ オールドスクール)」の軌跡と進化

2025.02.12
1966年の誕生以来、いまなおシーンを牽引し続けるキングオブスケートシューズ「VANS(ヴァンズ)」。創設当初はカリフォルニアのスケーターを中心にコアな支持を獲得していたが、現在ではスケートボードシーンのみならず、ファッションや音楽など、あらゆるシーンで人気を博している。
今回は同ブランドのVANS Japan Marketing担当である古谷佳祐さんに、ブランドの歴史を振り返りつつ、アイコン的存在であるヴァンズ オールドスクールの最新事情やブランドとしての今後のヴィジョンについて訊いた。

PROFILE

古谷 佳祐(ふるや けいすけ)

VANS Japanマーケティング担当。好きなVANSシューズはOLD SKOOL。

スケートシューズとしてのヴァンズは、遊びの中から自然発生的に誕生した

ブランド創立のきっかけや経緯、コンセプト等について教えてください。
1966年に、カリフォルニア州のアナハイムという町で誕生しました。ブランド名は、創始者のPaul Van Doren(ポール・ヴァン・ドーレン)とJim Van Doren(ジム・ヴァン・ドーレン)の名前にある「Van」に由来します。
「Van Doren Rubber Company(ヴァン・ドーレン ラバーカンパニー)」は、最初はオーダーメイドシューズのショップとして誕生しました。完全なオーダーメイドというより、当初はカラーのオーダーを受けて作っていたそうです。
創業当時のVan Doren Rubber Company
スケートブームが起こってブランドが誕生したわけでなく、それ以前からあったんですね。
そうなんです。カリフォルニアという土地柄サーフィンが盛んで、そこから派生してスケーターが増えたことで、スケートシューズの需要が高まったのだと思います。
当時のベニスビーチ周辺に「Zephyr Surf Shop(ゼファーサーフショップ)」という伝説的なサーフショップがあり、そこを溜まり場にしていたティーンたちが“Z-BOYS(ジーボーイズ)”というスケートチームを結成しました。ヴァンズがスケートシューズブランドとして確立した背景には、彼らの存在は欠かせません。
鮮やかで大胆なスケーティング、さらにスタイリッシュなルックスが人気を博し、シーンを席巻したことでヴァンズのスニーカーはより知名度を高めていったのだと思います。
Z-Boyzのトニー・アルバ、ステイシー・ペラルタのアイデアから誕生した「Era (エラ)」の当時の広告

ブランドのルーツに対して忠実でありながら、魅力を広めていきたい

ブランドのアイコンのひとつである「Old Skool(オールドスクール)」はどのようにして生まれたのでしょうか?
1966年にブランド初のモデルとして「Authentic(オーセンティック)」が誕生し、その後1976年に「オーセンティック」をベースに耐久性を高めた「VANS Era(ヴァンズ エラ)」がリリースされました。「オールドスクール」は「エラ」同様、より耐久性の高いモデルを実現するために1977年に開発されました。
ヴァンズは当時、高温の圧力を加えながらアッパーとソールを圧着させる、耐久性に優れた「バルカナイズド製法」をすべてのスニーカーに用いていました。「オールドスクール」には、それに加え足首周りには補強パッドを内蔵し、トゥ周りにもスウェードを使用することでより耐久性を高めています。
また、今ではヴァンズのアイコンであるサイドストライプを初めて採用したのも「オールドスクール」です。サイドストライプはレザーになっており、それもアッパーを補強する目的でつけられています。
特徴的なサイドストライプは、当時「ジャズストライプ」と呼ばれていたそうですね。
諸説あるのですが、ポールの落書きから生まれたのは確かなようです。あと当時「オールドスクール」のことを「ジャズ」と呼んでいた時期もあったそうで、ネーミングに関する由来には、そういった史実も関係していると思います。
耐久性を強化するために、レザーパネルを用いた最初のモデルとのことですが、レザーパネルを採用した背景や理由を教えてください。
スケートをする際、スニーカーのサイド部分は裂けたり摩耗するなどダメージを受けやすいので、耐久性に優れた革素材を採用することで補強をしつつ、デザイン的にも成立させたのだと思います。
また1970年代は、バスケットボールやテニスなど、レザー素材を使ったスポーツシューズが増えてきた頃なんです。これらにはスケートシューズもより強固なものに仕上げるためにレザーを採用するという流れがあったのかもしれません。
ほかに、別モデルと「オールドスクール」の大きな違いを教えてください。
たとえば「エラ」や「オーセンティック」はシューホールが4〜5つ仕様なので、着脱がしやすい一方、ホールド感はそこまでです。
「オールドスクール」はシューホールが8つあり、トップまで締めるとかなりのホールド感が得られるので、ライダーからの人気は高いですね。
スケートボードに特化したラインである「スケートクラシックス」は、ライフスタイルモデルとどのような違いがあるのでしょうか。
スケートシューズとしての特性をより高めるために機能性重視の仕様となっています。ラバー部分に耐久性の高い素材を使用し、インソールには「ポップクッシュ」というヴァンズが誇るトップクラスの衝撃緩和素材を採用していたりと、クッション性にも長けた作りになっています。
スケートクラシックス
さらに昨年3月に「Premium Old Skool(プレミアムオールドスクール)」をリリースしました。進化した点や新たに搭載されたシステムを教えてください。
まず大きな特徴としては、サイドウォールと呼ばれるフォキシングテープ(アウトソールとアッパーをつなぐため、シューズの外側に巻くテープ)の高さが、ライフスタイルモデルに比べて高いところです。’70〜’80年代に製造されたクラシックモデルの仕様をベースに、ヴィンテージライクに仕上げています。
さらにインソールは最新のEVAを搭載しているのでふかふか。見た目はヴィンテージ感がありつつも、モダンで、履き心地もよく軽いんです。
プレミアムオールドスクール
最後に、「オールドスクール」やブランドの展望を教えてください。
「オールドスクール」はスケートボードシーンをはじめ、音楽、ファッションなど世界中のさまざまなシーンで支持されてきました。ヴァンズの歴史の中でも、ブランドを牽引するモデルのひとつであることは間違いありません。
今後も「オールドスクール」や「プレミアムオールドスクール」を筆頭に、たくさんの方にヴァンズのスニーカーを履いていただくべく、ヴァンズブランドのルーツに対して忠実な活動も続けながら、新しい取り組みにもチャレンジしていきます。
昨年8月に、日本人チームライダーの滑りを収録した最新映像「WABI-SABI」の試写会を、国立競技場の大型駐車場に特設スクリーンを設営し開催したのですが、そういった取り組みはもちろん今後も継続しつつ、新たなお客様にも履いていただけるよう、さまざまな機会を設けたいです。
「WABI-SABI」試写会の様子
また先日、「オールドスクール」と⾳楽との深い絆を表すカプセルコレクション「PREMIUM OLD SKOOL MUSIC COLLECTION (プレミアムオールドスクール ミュージックコレクション) 」を発表しました。1970〜1980年代のパンク・ハードコア、1990〜2000年代のWARPED TOUR、2010年代以降のアンダーグラウンド・ヒップホップと、「オールドスクール」との結びつきが強い3つの時代と⾳楽のエッセンスをシューズに落とし込んでいます。そちらもぜひチェックしてほしいですね。
スケートボードシーンから始まり、音楽、ファッション、アートなどあらゆるカルチャーと共鳴し時代を彩ってきたオールドスクール。ブランドのルーツを大切に守りながらも枠にとらわれない自由な精神性は、今もなお人々を魅了し続けている。

Text by  Kei Osawa

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