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2022.10.18

第二の脳とも言われる「腸」に着目! サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が提唱する「新しい腸活」とは?

健康や美、性格にまでも影響を与え、第二の脳とも言われる「腸」。テレビや雑誌、美容家たちのSNSでは腸内環境が話題となり「腸活」ブームが続いている。そんな中で健康や美容とは少し違う角度から腸に注目する人物がいる。サッカー元日本代表の鈴木啓太氏だ。
鈴木氏は自身の経験から、アスリートの腸内環境とパフォーマンスの関連性に着目。競技者たちの腸内環境を一般の人に再現することで、パフォーマンスやコンディショニングに寄与できるのではないかと考えていた。
果たして、アスリートの腸と我々一般人の腸に差はあるのか。腸活で私たちのパフォーマンスは上がるのか。鈴木氏が開発した腸活に特化したプロダクト「AuB(オーブ)」シリーズについて、鈴木氏本人に取材した。

アスリートたちの腸内環境、一般人との違いとは?

 鈴木氏は2015年、サッカー選手としての引退と同じ年にAuB株式会社を設立。「すべての人を、ベストコンディションに。」というミッションを掲げて、アスリートの腸内細菌データを集めることから事業は始まった。それではなぜアスリートの腸に注目したのだろうか?
「世界中の学者や専門家たちがすでに腸を研究している中で、自分たちは何をやればいいかを思案し、調査をしたところ、アスリートに着目した腸の研究はそこまで存在していなかったんです。アスリート、要するにパフォーマンスに特化した人たちの、腸内細菌のデータベースを作ることでなにかが見えると考えたんです」
特徴的な被験者のデータを集めることから、大きな発見が生まれることもあるのだという。例えば、食べても太りにくい人たちの腸内データを集めた結果、腸内でいわゆる「痩せ菌」が発見されたのはその一例だ。
そこで鈴木氏は「アスリートたちの腸内データにはパフォーマンスが高い人たちに共通する特徴があるのではないか」という仮説を立てた。またそれは、アスリートの直感だったのかもしれない。そして自身のコネクションを活かしながらアスリートたちの便を集め、データを採取していく。その数はなんと約500名1000検体にも及んだ。
そんななかアスリートたちの腸に共通するある特徴を掴んだ。
「アスリートたちの腸内は、健康の指標だと言われる『菌の多様性』が非常に高く、その中でも『酪酸菌』の割合が一般の方々に比べて高いという特徴がありました。この酪酸菌は短鎖脂肪酸というものを作り出し、腸内にある悪玉菌の発育を抑制し、免疫力をコントロールすると言われているんですね。アスリートにおいては持久力などのパフォーマンスに関わってきます」
納得いく結果に「やっぱりそうだったのか!」と歓喜の声を上げつつ、ほっと安堵の気持ちにもなったのだという。それもそのはず。実に調査のスタートから4年という長い月日が経っていた。そして膨大なアスリートたちのデータと共に、商品化へのプロセスに移った。
アスリートの腸内の「酪酸産生菌」の割合は一般人と比べて2倍ほど高い。AuB株式会社調べ
アスリートの腸内の「酪酸産生菌」の割合は一般人と比べて2倍ほど高い。AuB株式会社調べ

プロダクト化にあたり国際特許をとった菌よりも大切にしたこと

 ヤクルトのシロタ株、明治のR-1など特徴ある菌を全面に打ち出した商品は人気を集めている。たしかに打ち出しとしてキャッチーであるし、わかりやすさもある。
鈴木氏も研究中に発見された機能性の高い株『オーブ001』で国際特許を取得した。しかしプロダクト化にあたっては、この一つの菌を推す一点突破の商品よりも、『菌の多様性』の部分を大事にするプロダクトにこだわった。
「自分たちはアスリートから頂いた本当に貴重なデータを扱っている。そこから導き出された『アスリートたちに共通する腸内環境の再現』こそが大事じゃないかと考えました」
その結果生まれたのが、酪酸菌をメインに乳酸菌やビフィズス菌などヒトに有用な約30種類もの菌を独自に選定・ブレンドした「AuB BASE(オーブベース)」だった。
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