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2024.03.05

3Dデータの圧縮・閲覧を、簡単な操作で行える「karumi」

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パッケージシステムの開発・販売事業を手掛ける「株式会社アベイル」が、3Dデータ圧縮&閲覧ツール『karumi(カルミ)』の提供を開始した。
karumiは、専用のソフトなしで誰でも3Dデータの圧縮・最適化ができる「karu(カル)」と、データをサーバーに保存してインターネット経由で閲覧する「mi(ミ)」で構成されている。
「3Dデータを誰もがもっと気軽に、簡単に活用できるように」という思いを込めて、同社ではkarumiのさらなるアップデートに取り組んでいる真っ最中だ。
今回は、同社で常務取締役を務める小谷雄祐さんに、karumiの開発に至った経緯や活用事例、今後の展望などを伺った。
PROFILE|プロフィール
小谷 雄祐(おだに ゆうすけ)
小谷 雄祐(おだに ゆうすけ)

株式会社アベイル 常務取締役
クラウドソリューション事業部 事業部長

3Dデータ圧縮&閲覧ツール「karumi」の開発背景

株式会社アベイルの顧客は、ほとんどがアパレル業界の企業のため、同社ではこの業界に特化したシステム開発を行っている。
「弊社の強みは、アパレル業界の知識もあるシステムエンジニアが多数在籍していることです。システムの開発時には、事例などをもとにした提案を行えるため、よりスムーズな開発・導入を実現できています」
3Dデータ圧縮&閲覧ツール「karumi」は、もともと制作予定のものではなかった。開発に至ったのは、「3Dで服の着用シミュレーションを見せることができれば、面白いのではないか」と考えたことがきっかけだという。
「当初は、2D画像を使用した服のシミュレーションアプリを作ろうとしており、『ユーザーの選択内容に応じて、服の2D画像が切り替わる』という構想でした。具体的に言うと、身長・体型・服の柄を選択すれば、自分の身長や体型に近いアバターで服の着用感をシミュレーションできる、というものです。
しかし、そのようなアプリはすでに世の中にたくさんあり、新規性に欠けると感じました。そこで、『2Dではなく、3Dでシミュレーションを見られると面白いのではないか』と我々は考えました」
同社は、主にパッケージシステムの開発・販売を行っているが、それ以外にも海外3Dシミュレーションソフトの代理店も担う。「3Dデータを直接Webアプリで使用することができれば、代理店としても分かりやすくデータの活用事例を見せられるようになる」とも考えたそうだ。
「しかし、インターネットを通じて3Dデータをそのまま一般の人たちに見せるのには、『データサイズが重すぎる』『3Dのビューワの実装が面倒』など、いくつか課題がありました。
特にデータサイズの問題は、クリアしなければなりません。アクセスに時間がかかりすぎると、ユーザーの多くはサイトから離脱してしまうからです。
最適化を考えずに弊社の3Dシミュレーションソフトでデータを作成すると、数十MB(メガバイト)から数百MBを超えるサイズになってしまいます。せめて電子メールに添付できるくらいのサイズまで小さくできないかと考え、データの構成を調べて圧縮方法を検討しました」
試行錯誤の末、データを圧縮する方法は分かったものの、手作業の処理では時間がかかりすぎてしまったという。データの種類にもよるが、1データ当たり1時間近くかかることもあるそうだ。
「データの圧縮作業を楽にするために、ボタン一つで3Dデータを圧縮できるようにしようと作ったのが『karu』です。サーバーにデータをアップロードしないため、データ漏洩のリスクがないのが特徴です。
一方で、『mi』は、圧縮したデータを簡単に共有できるようにすることをコンセプトに開発しました。実は、glTFビューワは世の中にたくさん展開されていますが、まだ汎用的なツールとは言えない状態です。そのため、弊社では誰でも手軽にデータを見たり、誰かに見せたりできるツールの開発を目指しました」
一般的に、サーバー上で処理するプログラムの実装は自由度が高く、より高負荷な処理も実現しやすくなっている。一方で、すべてをブラウザ上で処理するにはさまざまな制限があり、開発の難易度が高くなるそうだ。
「サーバーにデータをアップロードせずにブラウザ上で処理を実行できるようにするのは大変でしたが、関連するオープンソースのコードを読み解いたり、新しい技術を積極的に試したりして、実現に至りました。
3Dのデータフォーマットについては、世界的に新たな規格が策定されているので、今後はより活用しやすくなっていくと思っています。情報を常にフォローアップし、先端技術を広く皆様にご提供できるよう努力していきたいと思います」
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