MADE IN JAPANの確かな品質と高い加工技術のインディゴアイテムが大人気となり、世界中のファッショニスタから愛される
FDMTL(ファンダメンタル)。その秘密をデザイナーの津吉学氏に聞いた。
ブランドのデザイン力と日本の技術力が相乗効果を生み出すFDMTLのものづくり
FDMTLのインディゴアイテムといえばMADE IN JAPAN。そしてデニムは岡山というイメージがある。日本製の理由や産地へのこだわりなど、まずはFDMTLのものづくりを紐解いてみた。「実は岡山で特化して作っているわけではなくて、広島の工場でも作ってますし、中国地方は多いですが、東北の工場にもお願いしているので“日本製”というところを推している感じです。デニム生地や加工は岡山でやっているのでそのイメージが有るのかもしれません。
もっと言うと、実は日本製ということにこだわっている訳でも無くて、良いものを作ろうと思ったら、たまたまそれが日本だったというのは大きいです。現場で言うと日本製ですが、必ずしも日本で作らなければいけないというルールが有る訳ではないですね」
縫製や加工へのこだわり、そして緻密なデザインワーク、そのレベルが高くなればなるほど、生産する工場や職人との意思疎通が重要となる。そんな関係性にもFDMTLらしい考え方があるという。
「生産する際の指示など、工場に対して最もやりやすい方法がないかを考えるのはブランド側の仕事だと思います。マンパワーに頼りすぎてはいけないし、工場を変えても同じ商品が出来るように、ブランド側としては努めていかないといけません。
今付き合いのある工場は、そこから更に自分の中に無いものを提案してくれます。デザイン力と技術力が合わさった良い関係が続いているので、日本製が続いているのだと思います。
デニム生地の加工で言うと、『サンドブラスト[1]』という色を落とす手法がよくあるのですが、アイテムによってはレーザーを使って溶かしていく手法を使ってみたり、他がやっていないことも試みて作っています」
様々なデニムが織りなす異なる表情が、独特の雰囲気を醸す
考え尽くされた生地へのこだわりと、唯一無二の世界観で人気を集めるFDMTL。日本および海外で同様に人気だという定番アイテムのものづくりのこだわりを伺った。「カバーオールは毎シーズン作っているアイテムなのですが、ポケットに横から手が入る仕様のシーズンがあったり、この生地とこの生地を重ねて今回は違うものにしようとか、毎回試行錯誤を続けて手の込んだデザインになっているので、他ではなかなか真似が出来ないような領域にたどり着いているとは思います」
「7,8種類ぐらいの生地を一着に盛り込みます。例えばこの羽織もいくつかの生地を使っているのですが、インディゴデニム生地でもそのままの生地と加工した生地、刺し子をモチーフにしたジャガードの生地など、色んな素材を合わせて加工をかけると、ふわっと膨らむ生地もあれば、色落ちがあまり進まない生地もあって、それぞれ表情が変わっていきます。
更に2つの生地を重ねて加工をする際には、ただ生地を組み合わせるのではなく、上側の生地だけ破ってから加工をかけたりするなどの工夫が、オリジナリティーに繋がって行くと思います」