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2021.04.22

店舗データから適切な販売員をスポット採用!販売金額2.5倍増加のマッチングとは?

株式会社メッシュウェルは小売店とフリーランス販売員とのマッチングを可能にするサービス「MESHWell(メッシュウェル)」を展開している。このサービスは「ピークタイムの顧客購入(販売)機会ロスが顕著に課題化されているが、解決法が見つからない点」と「働きたくてもフルタイム勤務が困難な世代(主婦・ママ・ダブルワーカー)が業界から離れていく点」という2つの問題点を掛け合わせることで誕生した画期的なソリューションだ。
さらに昨年11月、同サービスに新機能「ASSIST(アシスト)の試験提供が開始された。この機能は、店舗に蓄積されたデータを活用し必要な時間帯に適切な人材のスポット採用を提案するというもので、そこには同サービスを頻繁に利用する店舗管理者からの「自店に合った方(働き手)を効率的に探したい」という声がきっかけになったという。新機能「ASSIST」によってどのような課題が解決されるのか、またフリーランス販売員の働き方と顧客の購買体験との関係などについて、株式会社メッシュウェル代表取締役の窪田光平氏と同社CTO/CPOの森陽氏にお話を伺った。

有効的なマッチングを可能にする「ASSIST」機能

まず、「MESHWell」の採用方法について見てみよう。一般的な採用サービスは「働き手が企業に応募する」形式を採用しているが、企業人事担当者や店舗管理者と話をすると、応募が多くなると選び切れないという声があったという。「MESHWell」は「店舗管理者が働き手にサービス上で業務のオファーを出し、働き手が合意する」ことでマッチングするように設計されており、店舗で発生する主に顕在ニーズに向けたソリューションとして提供されている。
「ASSIST」の開発に際しては、同じ店舗であっても、そのスポット(業務の時間帯)ごとに求められる働き手像は異なってくるという課題があったそうだ。そこで、実際の店舗の状況を把握し、店舗から収集できるデータを指標に含め分析を進めていくと、リクエストがなかった曜日・時間帯の方が増員することでより効果があるのではと予測できるケースがあったという。そこで、「もっと効率的に利用して欲しい」から「売上が向上するために有効的なマッチングを提案したい」という方向に飛躍したいという思いから、「ASSIST」の開発が始まった。
店舗ごとの人的課題を可視化するために活用されるビッグデータは、主に購買データ(POSデータ)、スタッフのシフトデータ、店舗来店客数がベースになり、(店舗のインフラの設置状況にもよるが)年代・性別、店内行動データなどさらに細かく分析できるデータも収集可能であれば活用している。解析で一番重要なのは業界平均などの曖昧なものではなく、効果測定を可能にするために実績データから各店舗に応じた基準値を設定することだという。

フリーランス販売員の活躍の場を提供

「MESHWell」はフリーランス販売員にとっても働きやすい環境を提供するプラットフォームになっている。「MESHWell」が提供する働き方によって、販売員は「雇用条件の制約を受けず、契約に応じて短時間だけ業務ができる」、「スキルに応じて、自分に合った条件を設定できる」ようになる。また店舗も「販売機会ロスが生じやすいピークタイムだけ人員を増員できる」ことから、人件費の変動費化を実現できるという。
加えて、適切なマッチングをするにあたって、実績データを元に販売員の評価が行われている。プロフィール、ストアからの評価、販売実績、マッチングした曜日・時間帯などの情報に加え、カスタマーサクセス担当者がヒアリングするデータを組み合わせ販売員が評価されているため、この評価データと、前述した店舗の分析データとを掛け合わせることで適切な人材をレコメンドすることが可能になる。
また、「ASSIST」により一定の予測精度で将来の日程における時間ごとの来店客数が可視化されることにより、ピークタイムに合わせた人員配置の提案が実現し、忙しくなってもスタッフが慌てることなくお客様に接することが可能になったという。レコメンドされたマッチングは、従来の店舗管理者起点のマッチングと比較し、働き手による時間当たり販売金額は2.5倍ほど増加するという実績も出始めており、販売機会ロスの削減は期待以上に実現しているそうだ。
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#RetailTech
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