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2021.01.13

ブロックチェーンを活用したクリエイティブプラットフォーム「Pocket collection」

ファッション業界では3Dによるクリエーションが一般化し始めた。制作段階ではファッション専用の3Dモデルソフト「CLO(クロ)」や3D衣装作成ソフト「Marvelous Designer(マーベラスデザイナー)」などが活用されており、クリエーションに新たな可能性をもたらしている。
株式会社PocketRDは、ブロックチェーンを活用し、3D技術を活用したアートワーク等、CG創作物全般の大量保存、二次創作、二次流通、販売が可能となるWEBサイトPocket collectionを発表。現在はβ版の運用だが、今後は個人を含めた利用が期待されている。
このクリエイティブプラットフォームはファッション業界での活用も期待できる。以前当メディアで紹介した「The Fabriant(ザ・ファブリカント)」もブロックチェーンでドレスを9500ドルで販売するなど、ファッションと3D、そしてブロックチェーンは今注目すべきトピックだ。今回は株式会社PocketRDの籾倉宏哉氏に「Pocket collection」に加え、同社が開発した完全自動でアバターが作成できる「MY AVATAR」についてお話を伺った。
株式会社pocketRD 代表取締役 籾倉宏哉氏
株式会社pocketRD 代表取締役 籾倉宏哉氏

3DCGデータのクリエイティブプラットフォーム「Pocket collection」

「Pocket collection」では、世界中のアーティストの3Dデータの権利をブロックチェーン技術で保護し、不正利用摘発の検知の仕組みも用意されている。二次創作、二次流通においても権利を管理し、利益分配を行え、多くのクリエイターによりブラッシュアップされることで、クリエイティブの価値をさらに高めることが可能なプラットフォームが構築されているそうだ。このエコシステムの提供により、機械やAIには真似の出来ない人間だけができる創造、クリエイティブが生まれることが期待できるという。
主要機能としては、多くのクリエイターの創作活動における中心的なプラットフォームとなれるように、大容量ストレージ機能によるポートフォリオ掲載機能、プロジェクトマネジメント機能によるグループによる制作活動、マーケットプレイス機能による購入・販売も可能にし、その創作活動を全面的な支援が可能になっている。

ブロックチェーンで創作物の著作権を守る

「Pocket collection」ではブロックチェーンが活用されているが、そこに着目するに至ったのはどういう背景があったのだろうか?
「3D技術を事業の主軸に置いたとき、3Dの創作物を生み出すことのできるクリエイターの存在は欠かせないものです。彼らの創作活動を支援できるようなサービスをと社内検討を行っている中、創作物の権利が曖昧になっているという課題に着目しました。時間と労力をかけて生み出した創作物が簡単にコピーされてしまう現状を解決したい、そこで権利をどう守っていくかということでブロックチェーンによる権利の分散管理を機能として開発しました。」
創作物の権利保護という課題を解決するためにブロックチェーンが活用されているが、クリエイティブ分野のどのような革新が可能になるのだろうか?
「世の中に3Dのマーケットプレイスは多々ありますが、創作物の権利を守れるサービスは『Pocket collection』だけとなっています。クリエイターが自身の作った創作物を自分の作品と登録し、権利を保護する、その創作物を使用する人は創作者の権利を守る。そんな当たり前のことが、今まではできていませんでした。作った人、使用する人が基本的なことを守り、ルールを守ることが当たり前になると、今までは作品の不正利用を恐れて出さなかった人たちも出すようになり、市場が活発化し、機械や AI には真似の出来ない人間だけができる創造、クリエイティブがより多く生まれることが期待できると考えています。」
「Pocket collection」は世界中のクリエイターの3Dデータの権利をブロックチェーン技術で保護し、不正利用摘発の検知の仕組みも用意してあるという。2次創作、2次流通においても権利を管理し、利益分配を行え、多くのクリエイターによりブラッシュアップされることで、クリエイティブの価値をさらに高めることが可能なプラットフォームとなっている。
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