昨今では自宅で仕事をする人も増え、気分転換にルームフレグランスやお香を使う人も増えてきた。だが、店員に「こういった香りが好きだ」と伝えようとしたとき、においの感じ方は人それぞれ異なるため、うまく伝えられないと感じた人も多いだろう。
そうした個人の感覚を客観的に判断するために、株式会社レボーンは新たなセンサを開発し、においを数値化することに成功した。AIやIoTと組み合わせた新たなサービスを展開する狙いは、どこにあるのだろうか。同社で商品開発部部長を務める永田富治さんにお話を伺った。 感覚をデータ化する
においのDXを進める同社は、「においセンサ・AIを用いた製品開発・品質管理のDX化」や「においの専門家によるコンサルティング」などのサービスを展開している。だが、なぜ「におい」に注目したのだろうか。そこには「嗅覚」という人間ならではの課題があったようだ。たとえば、ある製品のにおいをチェックしたときに「〇〇のようなにおい」だと判断して伝えたとしても、皆が同じイメージを持つとは限らない。しかも、嗅覚の鋭さはその時々の体調にも影響を受けるため、観測ごとに異なる判断をする可能性もある。
そこで、「観測の前にセンサやAIに、においをスクリーニングさせることで、測定の補助になるだけでなく、においを観測するという行為そのものを代替させることが可能になる」と同社は考えた。