魔王を倒したあとの世界を旅する人気漫画『葬送のフリーレン』。中世ドイツを思わせる世界観も魅力の本作だが、その衣装や文化は実際にはどの時代や国が近いのだろうか。
今回は、ヨーロッパの服飾文化史を専門とする日本女子大学・内村理奈教授にインタビュー。フリーレンたちの服装から見える服飾の歴史を紐解いていく。
さまざまな時代や国の要素が感じられるフリーレンの世界
まずは先生の目から見て、『葬送のフリーレン』のモデルとなっている時代・国はどこだと思われますか?
建物や景色を見る限りでは、中世ドイツが舞台のような印象を受けました。ヨーロッパの北から南まで、いろいろな時代・場所の文化が混ざり合っていますね。服飾の面ではいかがでしょうか。
こちらはより、さまざまな要素が混ざっているように思いました。ヨーロッパだけでなく、現代日本の影響も感じます。では、ここからはキャラクターの服装についてお聞きしていきます。まずは主人公・フリーレンです。
左からアイゼン、ヒンメル、ハイター、フリーレン ©山田鐘人・アベツカサ/小学館彼女の夏服のシルエットには、19世紀の女性の旅行服に近いものを感じます。
いまのような「旅行」が一般の人々の間でブームになったのは19世紀のことでした。ヨーロッパに鉄道ができて、移動がしやすくなったんですね。