1996年にトレイルランニングモデルの先駆けとして登場し、その後のストリートシーンで多くの話題を集めた「ニューバランス」の「580」。伝説的なモデルを今回ミタスニーカーズがリデザインした「MT580GB2」が10月26日に発売される。今回はそのエクスクルーシブモデルがどのようにして生まれたのか、その経緯とデザインに関してどう提案したのかを
ミタスニーカーズのクリエイティブディレクター国井栄之さんに伺った。
今回の別注はオリジナルへのリスペクトを再確認するもの
90年代後半から2000年代初頭にかけて日本のストリートシーンで注目を浴びた「MT580」。伝説のコラボによって、アジアのみならず「ニューバランス」のお膝元である本国アメリカにまで、その人気は波及した。「580」という品番において、このタイミングでミタスニーカーズが別注を行った理由は何だったのか。国井さんはこう説明してくれた。「『ニューバランス』の『580』におけるグローバルでのフォーカスが2023年で終わり、アジアでのフォーカスは続いていましたが、それも今年で終わってしまうというところで、2024年の春夏では『
MARQUEEPLAYER(マーキープレイヤー)』とのコラボを展開しました。
2023年では真柄さんの『MASTERPIECE SOUND(マスターピース サウンド)』と YOPPIこと江川芳文さんの『Hombre Niño(オンブレニーニョ)』とのコラボで、『
MT580』に携わった人々が過去を振り返って復刻をするのではなく、現在進行形でアップデートするということを表現できました。
フィーチャーの最後となる2024年の秋冬に何をストーリーテリングするべきかと考えたときに“ワゴンセールになっていたオリジナルの『MT580』”という『580』がフォーカスされるたびに繰り返し伝えられていたこの言葉に、改めて疑問というか自分たちの説明不足というか言葉足らずで、オリジナルが売れていなかったことを印象付けてしまっていたことに気が付いたんです。
僕たちは世の中的にどう判断されようとも好きなモノは好きなわけで。当時コラボレーションのオファーが『ニューバランス』からきたときも選択肢がいろいろあったなかで、オリジナルの『MT580』をこよなく愛していたからこそ、知名度に関係なく自分たちの好きなモデルをベースにコラボを展開しました。
そこまできちんと説明すべきでしたが、文字数が制限されるなかで“ワゴンセールになっていた『580』がコラボにより世界的に大人気に”という切り取られ方をしてしまったのです。斜に構えて『580』を選んだのではなく、日本改良品番としてリリースされた『580』に魅了されて、そこからいろいろはじまった、というのが事実です。
だからこそもう一度 、オリジナルの『580』の良さを認知してもらいたくて、オリジナルのカラーやディテールを再現したものを別注させてもらった、というのが今回の大義名分になります」
今回の別注は図らずもオリジナルの「580」の評判をサゲるかのような誤解を招いてしまったことを払しょくするために、そして再度オリジナルへのリスペクトを表現したいという想いから生まれたのだ。
素材使いやボリューム感を忠実に再現した意欲作
今回の別注モデルは、オリジナルの「MT580」を忠実に再現しながらもオリジナルのカラーをミックスさせたエクスクルーシブなモデルとなっている。デザイン面に関しても国井さんはこう説明してくれた。