インターネットによって、どこにいても世界と繋がることができるようになった。海外への連絡もとりやすくなり、スマートフォンひとつあれば、世界中のお店でショッピングを楽しめる時代なのだ。
市場が世界に開かれているならと、多くの企業は海外進出を狙っている。だからといって、ECサイトを開くだけでは成功しないだろう。利権や法律の問題も解決しなければならない。では、グローバル展開をするにはどうしたら良いのか。
今回取材をした「株式会社Lingble(リングブル)」のCEOである原田真帆人さんは、そうしたグローバル展開を望む企業のサポートを行っている。同社はグローバル企業ということでシンガポールに本社登録があるものの、社員は世界中に散らばり、フルリモートによる経営を実践しているようだ。原田さん自身も、パリに在住とのこと。 日本人が海外でビジネスを展開しており、海外で起業を目指す若者のモデルともなりうるはずだ。Lingbleの哲学に加えて、これまでの原田さんの活動も含めて、お話を伺ってきた。
PROFILE|プロフィール
原田 真帆人(はらだ まほと)
1981年三重県出身。ミネソタ大学卒業後、商社に入社。オランダ、香港、深セン駐在を経て同社退職後に帰国し、2009年にLingbleの前身となる、デニム販売「デニミオ(DENIMIO)」を手がけるプロスペクトフィールド株式会社を設立。その後、フルブライト奨学金を得て、スイスのビジネススクールIMD(国際経営開発研究所)でMBA(経営学修士)を取得。帰国後クックパッドへ入社し、ヘルスケア事業部を立ち上げる(現株式会社おいしい健康)。ITを生かして16年グローバルECプラットフォームのリングブルをスタート。
グローバルブランドのインフラ「Lingble」
日本では聞き慣れない方も多いと思います。どのような事業をされているのですか。
簡単に言えば、企業様のグローバル展開をサポートしています。ここで強調しておきたいのは、我々の仕事は展開に必要なECサイトや現地とのコネクションを提供するだけではないということです。
登山のサポートをする「シェルパ」をイメージしてください。グローバル展開はいわば登山です。海外で事業を成功させるためには、ブランディング戦略や法律、マーケティングといったいくつかの問題を解決しなければなりません。