2020年代に入り、その言葉が日常的に取り沙汰されるようになったメタバース。2022年時点で世界の利用者数は約4億人、日本国内でも約600万人の利用者がいると推定されている[1]。中でもアメリカのVRChat Inc.が2017年にリリースした「VRChat」は、世界中にユーザーを抱える超巨大メタバースだ。
「REVINAL」がデジタルファッションを展開するのは、「DRESSX(ドレス・エックス)」、「ZEPETO(ゼペット)」に続き第3弾となる。今回発売されたアイテムのテーマやこだわり、そして「REVINAL」の今後の展開について、本プロジェクトを牽引した池上夕貴氏と中村美穂氏に話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
池上 夕貴(いけがみ ゆうき)
アパレルブランドにて企画やパタンナーを経験後、2020年に3Dアーティストとして株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO NEXT)に入社。デジタルファッションやXR領域を 扱うXR / AI部にて新規プロジェクトのPMや3Dデータの制作作業を担当。
PROFILE|プロフィール
中村 美穂(なかむら みほ)
繊維専門商社やアパレルDXのベンチャー企業にて、企画や3Dモデリストとして従事した後、2023年に株式会社ZOZO NEXTへ入社。デジタルファッションを中心とした新規事業のPMや、3Dクリエイターとして制作業務を担う。
「REVINAL」の世界観をトータルで楽しんでほしい
改めて「REVINAL」の概要について教えてください。
池上「REVINAL」は3DやAIを活用したデジタルファッションプロジェクト「Project Drip」から誕生したデジタルファッションブランドです。
「現実空間におけるファッションの制約から逸脱し、バーチャルとリアルを交差・融合させながら、すべての人が自由にファッションを楽しみ、自己表現できる新たな未来を創造したい」というコンセプトのもと、2023年8月にスタートしました。
「Project Drip」ではバーチャルモデルをリリースしており、これまでそのモデルたちに向けた洋服の3Dデータを作成してきました。
その洋服や小物をメタバースで活用し、より多くの方へ届けたいと考えたのが、REVINALを立ち上げたきっかけです。作成したアイテムは、これまで「DRESSX(ドレス・エックス)」や「ZEPETO(ゼペット)」といったマーケットプレイスで展開してきています。
それらのマーケットプレイスに続き、今回なぜBOOTHにてVRChat向けのアイテムを作ることになったのでしょうか?
池上VRChatは、ユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われているプラットフォームで、ユーザーが自身を表現するアイテムとしてファッションを楽しんでいるように感じました。
アバターのカスタマイズの自由度も高く、REVINALとも親和性があると思い、VRChatと公式提携しているBOOTHにてファッションアイテムを販売するに至りました。
BOOTHでのショップオープンにあわせて販売されたコレクションは、どのようなテーマで制作されましたか?
中村REVINALは常にテクノロジーや近未来を意識したデザインをベースにしています。今回はそれに宇宙やオーロラ、プリズムなどの要素を足し、VRChatで人気の高いデザインを参考にしながら進めていきました。
VRChatは女性アバターを使用する男性ユーザーが多い傾向にあり、可愛い雰囲気や露出があるアイテムなど「男性が女性に着てほしい服」が人気です。
「REVINAL」はかっこいい雰囲気のアイテムが多いのですが、そのような傾向を踏まえて可愛い要素を取り入れたり、 おへそを出すトップスを作ってみたり、試行錯誤しながらデザインしていきました。
また、VRChatはユーザーがアバターのコーディネートを楽しむ文化があるので、フルコーディネートができるよう、今回は洋服だけではなく靴やヘッドフォンといった小物も展開しています。さまざまなアイテムを組み合わせて、REVINALの世界観をトータルで楽しんでいただきたいですね。