本展は「もし、江戸時代に人類が宇宙に到達していたら」という壮大な仮説を起点に、伝統工芸と現代テクノロジーを融合させ、「纏うとは何か?」という根源的な問いを探求するプロジェクトだ。2023年に福岡・太宰府天満宮で開催された「in - Spire - 呼吸」の続編として、時空や生命といったテーマをさらに深く掘り下げる。
今回、ひときわ異彩を放つ作品を出展したZOZO NEXTのテキスタイルチームに取材を実施。作品たちの誕生秘話や、制作の裏側に迫る。
PROFILE|プロフィール
中丸 啓(なかまる さとし)
2019年、株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO NEXT)入社。新規技術開発とその事業化を担うMATRIX本部 IoT/Textile部にてディレクターを務める。柔らかな機能性素材やデバイスの開発とそれらを活用したインタラクション・UX設計を専門とする。ACM DIS 2019 Best Paper, Ars Electronica Festival Starts Prize Honorary mention などを受賞。
PROFILE|プロフィール
川田 雅輝(かわた まさき)
2024年、株式会社ZOZO NEXT 入社。IoT/Textile部にてテキスタイル作品の実装などを主に担当。製造工程、化学分析、研究開発、品質保証、リチウムイオンバッテリー、デジタルカメラといった多彩な経験と引き出しの多さを活かして独創的な作品に挑戦する。またフリーランスカメラマン・写真家としても知られる。
PROFILE|プロフィール
彭 梓涵(ほう しかん)
2024年、株式会社ZOZO NEXTに入社。IoT/Textile部にて、作品プロトタイプのデザインおよび製作に従事。専門はプロダクトデザイン。
PROFILE|プロフィール
宮崎 良兼(みやざき りょうけん)
2019年、株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO NEXT)入社。アパレル製品の自動生産や物流倉庫向け装置などの自動化技術の研究開発に従事。IoT/Textile部ではロボット工学関連技術によるテキスタイルの機能拡張を推進。専門は流体制御およびロボティクス。
三田真一氏との協業と出展経緯
まず、今回の展示に参加することになった背景と経緯についてお聞かせください。
中丸三田真一さんとは、ZOZO NEXTの新規テキスタイル素材の研究開発活動の中で出会いました。我々が素材を服にしていく次のステップを模索していたところ、衣装設計や衣服の魅力的な表現に強い三田さんに関心を持ち、こちらからアドバイザリー契約をお願いしたのが始まりです。
「変形する衣服」というテーマを扱っていましたが、すぐに服にするには駆動装置などのパーツが多くハードルが高いという課題がありました。そんななか、三田さんの個展が開催される機会をご紹介いただき、作品に参加させていただくことになりました。