株式会社ニッセンホールディングスが展開する「
超冷感」シリーズは、同社のインナーのなかで一番冷たさを感じられるアイテムだ。発売以来多くの人を魅了し、2018年の発売からシリーズ累計販売枚数は95万枚を突破。今や大ヒットインナーとなっている。
“冷感”の常識を覆す一着は、いかにして生まれたのか。その裏側には、炎天下に立つ一人の社員の切実な悩みと、洗濯しても機能が落ちない“あるテクノロジー”があった。同社で「超冷感」シリーズの開発に携わる池内愛さんと須田美由紀さんにお話を伺った。
「着た瞬間に“しっかり冷たい”」を追求したインナー
「超冷感」が初めて発売されたのは、2018年のこと。「酷暑」という言葉が現実味を帯びはじめる、厳しい暑さが続くなかだった。そんな年々過酷になる夏を乗り切るためには、「着た瞬間に“しっかり冷たい”」を実感できるインナーが必要だと考え、開発に至ったという。「超冷感」シリーズには接触冷感機能をはじめ、汗のベタつきによる不快感を軽減するための吸汗速乾機能、UVカット機能が備わっている。他アイテムよりも強くひんやりと感じられる秘密は、冷感因子を含んだ天然鉱石(玉石)を繊維に練り込んでいるからだ。同等の厚みの綿100%天竺素材と比べて、Q-max値(繊維製品などに触れたときにどの程度冷たく感じるかを示す値)は約1.4倍になるという。