皮膚の感覚センサーを利用し筋肉に働きかけることで、筋肉の正しい動きを促進するという低筋圧理論。この低筋圧理論に基づいて設計されたのが「デリットテック(DERIT TECH)」のパンツとソックス。 一般的なサポート系のパンツやソックスは強い着圧をかけて、姿勢をコントロールすることが多いが、「デリットテック」のギアは過剰な圧迫を加えることも、体を固定しようとすることもしない。それでも、筋活動量や柔軟性の向上、骨盤位置や姿勢の改善、スポーツ時のパフォーマンスアップが見込めるという。「デリットテック」のギアはどのように開発されたのだろうか。
皮膚の感覚センサーを利用して筋肉にアプローチ
「加齢とともに衰える傾向がある骨盤底筋群を鍛えたり、サポートしたりするインナーウエアが作れないかというのが開発の出発点でした。どうしたら骨盤底筋群をインナーウエアで鍛えることができるのかを探っていくなかで出会ったのが、共同開発者である金子雅明先生(医学博士、理学療法士、アスレティックトレーナー)です。開発当初は骨盤底筋群を鍛えることで、骨盤のケアや尿漏れ予防、ED対策といったことができたらと考えていたのですが、プロ野球選手にテストをしてもらったところ、着用することで球速が上がるというデータがとれ、よりパフォーマンスアップにフォーカスすることになりました」と「デリットテック」を展開する
株式会社ドクターイーストの新井基規さん。
低筋圧理論とは、皮膚の感覚センサーを利用して筋肉にアプローチするというもの。パンツに施された模様は内側が出っ張るように作られており、その出っ張りが皮膚に触れることで筋肉に働きかけ、動かすべき筋肉が正しく動くことを促進するという。
たとえば筋力トレーニングをするとき、効かせたい部位を自分で触れたり、トレーナーに触ってもらったりするとうまく効かせられたという経験をしたことはないだろうか。アスリートが試合前に脚や腕などを手で叩いて刺激を入れているシーンを、テレビなどで観たことがある人もいるだろう。
「デリットテック」のギアはこれらと同様、皮膚を通じて、ここを動かしますよという信号を筋肉に送ってくれているというわけなのだ。
その結果、「デリットテック」のパンツを穿くと筋活動量が上昇。市販のパンツと比較した歩行実 験では、骨盤周辺の筋活動量が約1.7倍になるという結果が出ている(ハムストリングスは182%に、内側広筋は176%に、中臀筋は166%に、大臀筋は156%にそれぞれ上昇)。
ソックスも低筋圧理論に基づいて設計
ソックスもパンツと同様、低筋圧理論に基づいて設計されている。足裏にある3つのアーチを支える筋肉にアプローチし、足が本来持っているクッション機能やバネ機能を引き出すという。また、パンツと同様の歩行実験で、脚部全体の筋活動量が約1.3倍になるという結果が出ている(大臀筋は114%に、大腿二頭筋は112%に、腓腹筋内側頭は135%に、腓骨筋は133%にそれぞれ上昇)。「立つ、歩く際に唯一地面と接して、体を支える土台になるのが足です。足が安定することで、体の中心となる骨盤の安定感もさらに高まります」