コロナ禍でリモートワークが増え、ライフスタイルが変化したことでパンプスやヒールを履く機会は少なくなった。さらに履き心地の悪さや歩行時の負担が指摘され、パンプス離れも進んでいる。
一方で、TPOやスタイリングによって、パンプスを履きたいシーンは依然としてある。そんなニーズに応える存在として支持を集めているのが、
オンワード樫山のニットパンプスブランド「
steppi(ステッピ)」だ。
ブランド立ち上げ時から開発に携わるデザイナーの木下知都江さんに、steppi誕生の背景や、ニットパンプスに込められた技術について話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
木下 知都江(きのした ちずえ)
株式会社オンワード樫山
第三カンパニー steppi ディビジョン デザイナー
steppiの構想が始まったのは2018年。当時、同社のマーケティング担当者が、アメリカの展示会で「ロージーズ」というニットパンプスブランドに出会ったのがきっかけだった。
「当時、日本にもニットパンプスはありましたが、ブランドとして確立されているものはありませんでした。アメリカでも受け入れられていることから、日本でもニーズがあるのではないか、またアパレル会社として長年ニットの知見を培ってきたこともあり、靴にも応用できるのではないか、というところから開発がスタートしました」
構想から約4年の試行錯誤を経て、steppiは2022年、ついにデビューを果たす。最大の挑戦は履き心地のよさとフォルムの美しさの両立だった。