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Instagramで話題!世界に向けた刺しゅうブランド「北区の刺しゅう屋」の魅力と成長の秘密

2024.11.22
北区の刺しゅう屋は、2024年5月に誕生した刺しゅうブランドだ。Instagramは立ち上げから数ヶ月で8万人以上のフォロワーがおり、大きな注目を集めている。同ブランドを立ち上げたのは、田中優輝さん。脱サラをしてイチから刺しゅうを学び、ブランドを展開するに至ったという。
「ブランドを立ち上げるとき、自分がワクワクできることを考えました。その結果、たどり着いたのが“世界的な刺しゅうブランドになる”ことです。お客様と作り上げているブランドなので、ブランドが育つ過程をぜひ一緒に楽しんでいただけたら」と田中さんは語る。
今回はブランドを立ち上げるに至った経緯や商品の特徴、今後の展望について、お話を伺った。

PROFILE

田中 優輝(たなか ゆうき)

株式会社Take Risk CEO
2023年東京大学経済学部卒業後、シティグループ証券投資銀行部門にて勤務
2024年株式会社Take Risk創業、「北区の刺しゅう屋」の運営開始

独学で刺しゅうを学び、3ヶ月でブランドを立ち上げ

田中さんが刺しゅうに興味を持ったきっかけを教えてください。
以前は金融系の会社に勤めていたので、アパレルの経験があったわけではありません。ただ、もともと起業家志望だったので、大学生の頃から「これをどうやって事業化しようかな」と、ビジネスの視点で物事をとらえる習慣がありました。
刺しゅうに注目したのは、自分が持っていたパジャマがきっかけです。洋服などに施された刺しゅうを見ているうちに、「これはビジネスになる」「刺しゅうなら世界的なブランドを目指せるんじゃないか」と思ったんです。
そう考えてすぐに会社を辞め、刺しゅうの勉強をイチからはじめました。インターネット上の刺しゅうの情報を日本語のものから英語のものまで片っ端からインプットしました。
実際に手を動かしてみると難しいと感じることもありましたが、改善を繰り返せば少しずつ良くなっていくと信じ、根気強く改善を重ねました。
刺しゅうをはじめてブランドを立ち上げるまで、どのくらいの期間がかかったのでしょうか。
ブランドを立ち上げるまでの期間は3ヶ月ほどで、その間にいくつか試作をしていました。事業がうまくいくかどうかは、市場に出してはじめて分かることなのですが、刺しゅうブランドは早い段階でうまくいく気がしました。
というのも、私は刺しゅうブランドの前に3つの事業の立ち上げに挑戦しているのですが、これまでの事業とは違い、北区の刺しゅう屋は売り上げの伸び方や反響のスピードが早かったんです。
Instagramのフォロワーが数ヶ月で8万人以上と、反響の大きさを感じます。
実は発信をはじめたばかりの頃は反響がほとんどなく、かなり試行錯誤しました。どんな動画なら反響があるのかをテストし続けて、ようやくお客様に届くようになったんです。
帰りを待つわんこ
ブランドを作り上げていく上で、大切にしていることを教えてください。
“関わる人がどれだけワクワクできるか”を大事にしています。起業したのも、「ワクワクできることをしたい」という思いがあったからです。
刺しゅうブランドを展開するにあたり、“日本発の世界的なブランドになる”という目標を掲げていますが、これも自分とブランドに関わる人たちがワクワクできると思ったからです。その目標から逆算して、今一番ワクワクできることに挑戦するようにしています。

デザインにはフォロワーのアイディアを積極的に反映

ブランド名「北区の刺しゅう屋」に込めた思いを教えてください。
刺しゅうの本質は温かさだと思っているので、温かい雰囲気が伝わるブランド名にしようと考えました。「北区」には、“どこにでもある身近な北区”という想いを込めています。
また今後、競合が出てきても、北区の刺しゅう屋が一丁目一番地であることが分かるように、“刺しゅう”も名前に取り入れました。一般的に英語やカタカナ表記のブランド名が多いですし、語感がよかったので、あえて日本語にしています。
猫のおさんぽ
アイテムに施された刺しゅうも、温かみを感じます。
日本の四季をテーマにデザインしています。ゆくゆくは海外で売れるものを作りたいので、四季を選んだという理由もあります。
当ブランドの刺しゅうはステッチ数が多いことが特徴で、針を落とす数を多くすることで単一のモチーフだけでなくストーリーを描くことができるんです。たとえば「猫のおさんぽ」では、猫の周りにイチョウや紅葉、月などを加えて、猫の感情を想像できるようなストーリーを描いています。
また自分が作りたいデザインではなく、多くの人に気に入ってもらえるデザインを目指しています。デザインのベースは私自身で考えていますが、それに対するお客様の反応をできるだけ吸収して形にしています。
お客様のアイディアから実現したデザインにはどんなものがありますか?
秋のテーマを募集したときに「金木犀」とコメントしてくださった方が多かったので、「金木犀と青い鳥」という商品を作りました。
私は金木犀をあまり知らなかったのですが、秋に人気の花だということをそのときはじめて知りました。フォロワーさんの9割が女性ということもあり、男性目線にはないアイディアをいただけてありがたかったです。
金木犀と青い鳥
配色などで工夫していることを教えてください。
ひとつのデザインを決めるのにも、同じ服に同じようなデザインを何十パターンも試して最終的な色合いを決めています。
刺しゅうは、糸の微妙な色の違いで見え方が変わりますし、同じ糸でも見る角度が変われば少し違った色に見えることもあるんです。また、縫う方向や角度、モチーフを形作る糸の長さなどによっても印象が変わります。縫い方だけでも10種類ほどあるので、糸の色や縫い方の組み合わせ次第でいろいろな色合いを表現できます。
さらに、同じ色の糸と縫い方で刺しゅうを施しても、土台となる布の色によって印象が変わることもありますね。刺しゅうの奥深さに、最初は驚きました。

成長過程を、一緒に楽しんでいただけたら

お客様からのお声で、印象に残っているものがあれば教えてください。
DM(ダイレクトメッセージ)でいただくお声で意外と多いのが、「カップルでお揃いで着てデートに行った」「家族全員で着て写真館に行った」というお声です。身近な方と一緒に楽しんでくださっている温かい雰囲気が私にも伝わり、とてもうれしく思います。
現在、服は大人サイズのみの展開ですが、「子どもサイズの服も欲しい」と要望をくださる方も多いので、今後は幅広く展開できたらと考えています。
名月兎
さらにブランドを成長させていくために、挑戦したいことはありますか?
今は日本語で発信していることもあり、国内のお客様が圧倒的に多いのですが、海外からの問い合わせもいただくので、今後は海外に特化した発信もはじめたいと思っています。
また、より多くのお客様に商品を届けられるよう、段階的に工場との連携を進めているところです。ブランドを大きくしていくには、人の気持ちを動かすことが大切だと考えています。正直に自分の思いを発信しながら、より良い状態を目指して改善をし続けていきます。
これから展開していく商品や発信内容もどんどんアップデートされていきます。ドラマやアニメと違い、北区の刺しゅう屋は皆さんと同じ時間軸で進んでいるので、発信を通して成長の過程を見られる面白さがあると思います。ぜひブランドの成長を一緒に楽しんでください。

Text by 奥山 りか

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