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美容と健康を支える知られざるミネラル「マグネシウム」が重要なワケ

2025.10.08
今年の夏は、各地で猛暑の記録が更新されただけでなく、10月に入っても猛暑日が続き、暑さが長引いた。過酷な気候のなか、発汗などによるミネラル不足から足のこむら返りなどの不調を訴える人が増えているという。
「その背景には、マグネシウムの重要性が十分に知られていないことがあると考えています」と語るのは、マグネシウム配合スキンケアクリーム『マグバーム』を製造・販売する、オーガニックサイエンス代表取締役の鎌田貴俊さんだ。実は美容にも大きく関わるという知られざるマグネシウムの働きや、その重要性について話を伺った。

PROFILE

鎌田 貴俊(かまた たかとし)

オーガニックサイエンス 代表取締役

厚生労働省が定めるマグネシウムの推奨摂取量は、成人男性で約340~370mg、成人女性では約270~290mg[1]となっている。しかし国民健康・栄養調査[2]によれば、実際の摂取量は成人男性で約242mg、成人女性では約220mgにとどまっており、多くの人が不足しているのが現状だ。

マグネシウムが重要な4つの理由

マグネシウムには心身の健康に欠かせない大きく4つの働きがある。
1 筋肉の弛緩を促す
“足が攣りやすい人はマグネシウムが不足している”と聞いたことがないだろうか。これはマグネシウムには筋肉の炎症を抑え、緩める作用を持っていることによる。カルシウムは筋肉を収縮させ、マグネシウムは緩める役割を担っているため、筋肉が攣るのはカルシウムとマグネシウムのバランスが崩れている可能性があるのだ。
「マグネシウムとカルシウムとのバランスは、身体のスムーズな動きに関わると言われており、マグネシウムが不足すると、カルシウム優位になり、身体のコンディションに影響を与えやすくなります」
出典:de Baaij, J. H., Hoenderop, J. G., & Bindels, R. J. (2015). Magnesium in man: implications for health and disease. Physiological reviews, 95(1), 1-46.
また、胃腸や血管の壁などを形成する平滑筋など、自分の意思では動かせない筋肉にもマグネシウムは関与しているため、マグネシウムが不足すると、内臓や血管の働きにも影響が出てくる。また、マグネシウム欠乏の方は、偏頭痛との関連も指摘されている。
2 良質の睡眠をサポートする
睡眠の質に深く関係するホルモンとして知られる、セロトニンとメラトニン。セロトニンは日光を浴びることで分泌が活性化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変換され、良質な睡眠へとつながるのだが、マグネシウムは多数の酵素反応に関与しており、睡眠関連物質の生成を間接的に支える可能性があると考えられている。
また、脳の興奮を抑えて、ストレスや緊張を和らげ、睡眠の質を向上させるGABAの生成にも関わるという研究報告もされている。
「リラックスや休息に関わるテーマでも注目され、睡眠との関わりについても多くの研究が進められています」
質の高い睡眠は、肌や心の健康にも欠かせないもの。そのため、美容の観点からも注目したいミネラルなのだ。
出典:Cano Barquilla, P., Pagano, E. S., Jiménez-Ortega, V., Fernández-Mateos, M. P., Esquifino, A. I., & Cardinali, D. P. Abbasi, B., Kimiagar, M., Sadeghniiat, K., Shirazi, M. M., Hedayati, M., & Rashidkhani, B. (2012). The effect of magnesium supplementation on primary insomnia in elderly: A double-blind placebo-controlled clinical trial. Journal of research in medical sciences: the official journal of Isfahan University of Medical Sciences, 17(12), 1161.
3 エネルギーの産生を助ける
マグネシウムには体内で働く数百種の酵素反応に関与する補酵素として作用し、エネルギーの産生を助けるという、生命の維持に欠かせない働きを持っている。
「不足するとエネルギー代謝が滞り、疲労を感じたり、太りやすくなったりします。また、エネルギー不足を補うため、甘いものが食べたくなるという悪循環も起きやすいのです」
4 肌の健やかさを支える
血流と深く関わるマグネシウムは、毛細血管を通じて肌の状態にも影響すると言われているため、近年美容成分としても研究対象となっている。最近では日本でもさまざまなアイテムが登場し、注目集めている。
「肌を健やかに保つためにも、マグネシウムは重要なミネラルなのです」

マグネシウム不足が招く身体の不調

このように身体中のさまざまな活動に必要とされるだけに、マグネシウム不足によるさまざまな不調との関連が指摘されている。特に猛暑下では発汗により流出量が増え、さらに高いストレスがかかると腎臓での再吸収が弱まり、20~80%のマグネシウムが尿から排出されることもわかっている。では、マグネシウム欠乏にならないためにはどのようにしたらいいのか。
「基本はやはり食事から摂取することです。きのこ類や魚介類、藻類、雑穀類にはマグネシウムが豊富に含まれています」
ただし、現代の日本では食生活の変化により摂取が不足しがちである。こうした背景もあり、マグネシウムを日常の食事や生活習慣の中でどう取り入れていくかが課題となっている。
そこで近年注目を集めているのが、肌に直接塗布するスキンケアクリームである。局所的な筋肉の攣りや痛みには肌に直接塗る方が効率的といわれ、臨床試験での改善報告の例もある。
「日本ではまだ一般的ではありませんが、欧米ではすでに多くの製品が展開されています。ただし、全身の細胞にマグネシウムを行き届かせる量を考えると、肌への塗布だけでは足りないので、やはり食事など経口からの摂取は必須です」

アスリートやランナーからも支持を得るマグバーム

マグネシウムの重要性を広く知ってもらいたいと、鎌田さんは2020年にマグバームを発売。
左から、マグバーム「アロマラベンダー」「アロマオレンジ」「オリジナル(無香料)」各4,800円(税込)
「欧米ではクリームが主流なので、当初はクリームを開発しようと思っていました。ところが子どもが舐めても大丈夫なように天然由来成分で作ろうとしたところ、マグネシウムの安定性が悪くなり、どうしても分離をしてしまう。試行錯誤するなか、バームであればこの問題をクリアできることが判明したんです」
発売以来マグバームは、身体を酷使するアスリートやランナー、ヨギーニ、そして一般の成人女性よりも推奨摂取量が多くなる妊婦などから高い支持を得てきた。そして今年、多くのユーザーの声を反映し、リニューアルを果たした。
「最大の特徴はリポソーム化です。既存商品はマグネシウムを安定化できていると思っていましたが、実際には気圧の変化などで分離が起こることがわかり、お客様からクレームをいただくことも多かったのです。
そのため発売当初から成分の調整など、さまざまな研究を重ねてきましたが、なかなか解消することができませんでした。そこで試しにリポソーム化してみたところ、不思議と分離が起こらなくなったのです。また、バームが硬いというお声もいただいていましたが、リポソーム化によって柔らかくなり、より塗布しやすくなりました」
リポソーム化したことで分子が小さくなり、より肌なじみが良くなっている。
「今後、マグネシウムによるスキンケアは一般的になってくるでしょう」と語る鎌田さん。
「発売当初は類似商品がほとんどありませんでしたが、現在では類似商品も見かけるようになってきました。ただ、私たちは競争相手というよりも、マグネシウムの重要性を共に広める仲間だと思っています。たくさんのマグネシウム商品が発売され、多くの方々にマグネシウムの大切さを伝えていきたいですね」
マグネシウムは、身体のコンディションを整えるだけでなく、ハリやくすみといった肌の状態にも関わる重要なミネラルだ。美容と健康を両立させるために、日常に上手に取り入れていきたい。

[1]厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』

[2]令和4年国民健康・栄養調査

Text by Junko Hayashida

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