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さらば青春の光 森田哲矢が語る、『Boon』から始まった古着への情熱
メディアなどでの活躍が目覚ましいお笑いコンビ「さらば青春の光」。そのメンバーである森田哲矢さんは、芸能界きっての古着通として知られている。YouTubeのサブチャンネル「さらば森田の五反田ガレージ」では、古着屋巡り企画も人気コンテンツのひとつだ。
ヴィンテージカルチャーへの造詣が深い森田さんは、自身も『Boon』を愛読して育ったという。今回はその『Boon』を軸に、彼のヴィンテージへの想いを聞いた。
PROFILE
Jリーグ、PUFFY、浜田雅功…古着ブームでアメ村に通った学生時代
森田さんが当時愛読していた90年代の『Boon』は、古着ブームやストリートカルチャーにおけるバイブル的存在であり、業界の中心的な雑誌だった。レアなヴィンテージアイテムを纏ったスポーツ選手や人気アーティストが飾る表紙は、単なる話題性だけでなく、掲載アイテムへの問い合わせが殺到するほどの影響力を持っていた。
当時の学生時代を振り返りながら、森田さんはそのシーンについてこう語る。

「当時はものすごい古着ブームやったから、大阪のアメリカ村はいつも人だかりができていて、古着屋が乱立していた時代でしたね。
ほんまに大げさやないけど、10メートルおきぐらいにほとんどが古着屋みたいな感じやったなぁ。ただ歩いているだけでも、古着屋が30軒は見つけられるんちゃうかっていうぐらい多くて、一日そこで潰せちゃう感じでした。
だから、アメ村を一日中歩いた日には足が痛くて寝れなかったんですよ(笑)」

大阪のアメリカ村は、現在でも古着の聖地として知られているが、当時は今よりもさらに多くの古着屋が軒を並べていたというから驚いてしまう。
古着ブームとともにエアマックスが全盛期の時代でもあった90年代。森田さんが初めてアメ村で購入したのは、ナイキのレザーコルテッツだった。
「中学生の頃、同級生5、6人と1万円ほどを握りしめて、初めてアメ村に行きました。最初は『アメリカ村に来た』という満足感だけで、まともな古着屋には行けていないんですよ。
でも来たからには、何か買って帰らなあかん! ということで、アメ村のファッションビル『ビッグステップ』でレザーコルテッツを買ったのが、初めての買い物でした。
当時は堺市に住んでいたので、ビッグステップなんてオシャレなビルはなかったんですよ。わざわざ難波まで行かないといけない場所だったので、『これぞシティのかっこいい靴屋さん』という感覚でレザーコルテッツを購入しましたね」
その頃から『Boon』を読み始めたという森田さん。当時は、広末涼子やPUFFYなど人気タレントやアーティストが表紙を飾っていた時代だが、森田さんにとって『Boon』はどのような雑誌だったのだろうか?
「俺のなかではまさに指南書のような雑誌でしたね。
当時、関西には『カジカジ』という雑誌もあって、『Boon』と二大巨頭やったんですけど、『Boon』は掲載されているコーディネートを真似れば間違いないと思わせてくれるところがあったんです。
俺らが親しみやすい雑誌で、憧れのアイテムが数多く掲載されていたのが『Boon』でした」
90年代は、Jリーガーや木村拓哉、浜田雅功、いしだ壱成といった面々がヴィンテージファッションを牽引していた時代。彼らのファッションからも大きな影響を受けたと振り返る。
「古着に目覚める前はGパンとチノパンばかり穿いていました。
俺はいしだ壱成に影響を受けた人間なので、彼がドラマの『未成年』で穿いていたカーゴパンツを、確かサティ(生活百貨店)で買ったような気がします。
そのカーゴパンツを買ったことをきっかけに、アメ村に通い始め、古着を買うようになっていきましたね。当時、リーバイスの『赤耳』でも2万円台で普通に売られていて、むしろそれはまだ手頃な部類という認識でした。
66モデルや赤耳は、まだあまりお金を持っていない層が手を出すような雰囲気があったので、15歳くらいのときは、お年玉で27,000円の赤耳を買っていました」

ヴィンテージデニムやエアマックス95が世間をにぎわせていた時代。苦労して手に入れたアイテムには、誰もが細心の注意を払っていた。
「当時俺らの中学でもみんなアメ村に行っていたので、休日はとりあえずアメ村に行くというのが日常でしたね。
なかにはエアマックス95を買ったやつがいて、当時はエアマックス狩りまで起こるほど流行っていたから、靴を脱ぐようなお店では、そいつだけがエアマックス95を部屋まで持っていってました(笑)。
古着ブームの真っ只中で、あまり親しくない同級生がフットスケープを履いているのを見かけると悔しくなるような、そんな熱量の高い時代でしたね」

「五反田ガレージ」で溢れる、森田さんのヴィンテージ愛
森田さんといえば、YouTubeチャンネル「五反田ガレージ」も忘れてはならない。コンビのメインチャンネルとは違い森田さんの個人チャンネルでありながら登録者数38.5万人を誇るこのチャンネルは、森田さんのヴィンテージへの深い愛が詰まった独自のコンテンツとして人気を集めている。「五反田ガレージ」では、都内はもとより全国各地の隠れた名店を訪問。ヴィンテージアイテムだけでなく、旧車やインテリアまで幅広い分野において、森田さんのセンスと知識に魅了される男性のファンも多い。
全国各地を訪れている森田さんだが、その中でも一番印象に残っている場所は仙台だという。

「仙台では『ハウディ』と『トゥルーヴィンテージ』というお店に行ったんですが、トゥルーヴィンテージは本格的なヴィンテージショップで、その品揃えに圧倒されましたね。
ただ、VCM(日本最大級のヴィンテージイベント)などのイベントと比べると、まだまだお買い得な価格設定のお店でした。
その後にハウディに行ったんですが、そこはめちゃくちゃ安くて驚きました。
たとえば、27センチのワッフルトレーナーは通常見つけるのが難しいアイテムなのに、良好なコンディションのものが39,800円で販売されていたんです。現在の相場であれば、優に10万円を超えるアイテムですよ。
店長に値段を確認して購入しようとしたところ、『地元の方のために取り置かせていただきたい』とお断りされてしまいました(笑)。
相場より安価な設定であることは店長も認識されていながら、まずは地元の顧客を優先したいという想いがあることが印象的でしたね」


YouTubeチャンネルでもヴィンテージとともにアメカジ愛が溢れているが、森田さんのアメカジ好きは中学2年の頃からずっと変わらない。特にスウェットに関しては、取材時に着用していたものも含めて、セレクトにセンスが光る。

「アメカジはずっと好きで、今では学生時代に憧れていたアイテムを次々と購入しているなと実感しています。
でも、俺はゴリゴリのアメカジじゃないというか、いわゆるレッドウィングのブーツとかマッコンのストレートジーンズとかじゃなくて、結構チャラいというか、スケーターも好きやし、ナイキも好きやし…とか、実はそんな感じです(笑)。
スウェットに関しては、最初はそれほど興味がなかったんですが、単色タグやバータグについて知識を深めていくうちに、自然と欲しくなっていきましたね。
当時愛用していたのは、ノーブランドのヴィンテージスウェットや、フルーツオブザルーム、ヘインズ、ラッセルアスレティックといったブランドのスウェットでした」
まだまだ語り尽くせない! 粋なセンスが光るヴィンテージアイテム
古着好き芸人として、ヴィンテージシーンを牽引しているのもあり、森田さんの購入アイテムが気になる男性は多いだろう。「ここ3、4年はずっとチャンピオンのリバースウィーブばっかり買っていて、『もう持ってるもんなぁ』と思いつつ、また欲しくなる感じですね。あとは、今日着ているこのスヌーピーのスウェットとか、こういった雰囲気のヴィンテージものが今の気分にマッチしています」
現在、ヴィンテージブームは最盛期を迎え、VCMをはじめとする各種イベントシーンは大いに盛り上がりを見せている。メディアでも頻繁に取り上げられ、ヴィンテージの魅力に惹かれる人々は増加の一途だ。
そんななか、長年このカルチャーに携わってきた森田さんにとって、古着の本質的な魅力とは何なのだろうか。
「やっぱり男のDNAに刺さるのが古着なのかなって思いますね。古着や旧車といったものには、理屈抜きでかっこいいと感じる本能的な魅力があるんです。
言わば、知識や経験に頼らず、直感的に心を揺さぶられるのが古着の特徴だと思います。
最近は古着ブームが再熱していますが、正直なところ、もう少しヴィンテージへの敷居が低くなればいいなと感じています。
あまり歴史や年代にこだわりすぎると、歴史を着るんか! ってなりますし、もっと自由に、感覚的に楽しんでいい文化だと思います」


当時の『Boon』を読みながらヴィンテージについて語る姿は、さすがヴィンテージシーンを引っ張っているだけあり、熱を帯びるものがある。
取材を通して語られた数々のエピソードからは、尽きることのない森田さんのヴィンテージへの愛着がうかがえる。
最近ではメディアでも取り上げられるほど、センスが光る森田さんのヴィンテージファッション。「五反田ガレージ」では、かつて『Boon』が多くの若者たちのファッションバイブルとなったように、今度は森田さん自身が新しい世代に向けて、古着カルチャーの新たな楽しみ方を提案している。
型にはまらない自由な着こなしと深い造詣を持ち合わせた活動に、これからも目が離せそうにない。
Photo by Akinori Kawanishi
Text by Tajimax



















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