近年、自然派・オーガニック化粧品市場が拡大し、植物由来成分を配合した化粧品が数多く登場している。しかし、それらが本当に“安全”なのかは、たびたび議論の的となっている。
そこで今回は、「真に安全な化粧品」を掲げ、皮膚科学に基づいた製品開発を行う化粧品ブランド
OSAJI(オサジ)に注目。創業者であり代表の茂田正和さんに、植物由来成分の“安全神話”への考え方や、開発へのこだわり、そして肌本来の力を引き出すスキンケアのあり方について話を聞いた。
きっかけは「安全なはずの化粧品」への疑問から
OSAJIに対して、“ナチュラルコスメ”のイメージを抱いている人は多いだろう。しかし実際のところは、自然由来成分のみにこだわるのではなく、皮膚科学に基づいた化粧品開発を行っている。「OSAJIを立ち上げたのは、僕の母が交通事故にあってPTSDになり、肌に湿疹が広がってしまったのがきっかけです。母はそれまで“食べられる化粧品”をコンセプトにしたブランドを愛用し、とても信頼していたのですが、それも使えなくなってしまったのです。
母の嘆きを聞いているなかで、『食べても安全なはずの化粧品がなぜ使えないんだろう?』という疑問が生まれました。叔父が皮膚科専門医だったので、敏感肌用のサンプルをたくさん送ってもらったのですが、母が唯一使えたのは、4〜5個の成分からできたシンプルな化粧品でした。僕はこれな ら自分でも作れそうだと思い、シンプルな化粧品の原料を取り寄せ、自宅のキッチンで開発を始めたのです。