1967年にドイツで誕生した、オーガニックコスメブランド「
Dr.ハウシュカ」。日本に上陸して以来、国内でも多くの支持を集め、ナチュラルオーガニックコスメ好きの間で人気を博しているブランドだ。
意外と知られていないのが、このDr.ハウシュカが医薬品メーカーが始めたブランドであること。今回は、なぜ医薬品メーカーがオーガニックコスメを展開することになったのか、Dr.ハウシュカの健康・美容理論、化粧品づくりへのこだわりを深掘りした。
人智学に基づいた医薬品メーカー「WALA社」の誕生
自然とともに健康を目指すWALA社の新社屋Dr.ハウシュカを手がけているのは、ドイツの医薬品メーカー・WALA(ヴァラ)社である。WALA社は1935年、化学者のルドルフ・ハウシュカ博士が創業した。現在も「人間の健康は自然と共存することにある」という哲学のもと、自然由来原料のみを使用した医薬品を展開し続けている。
ハウシュカ博士はWALA社を立ち上げると、人智学(アントロポゾフィー)に基づいて、ハーブ薬品の製造を始めた。人智学とは、医学、教育、芸術、農業などに応用されている学問である。
あるとき、生命の謎に直面したハウシュカ博士がシュタイナー博士に相談したところ、「生命にはリズムがある。リズムを勉強しなさい」との助言を受けた。これをきっかけに生命や植物のリズムを研究し、独自の「リズム製法」を生み出したのである。