2022.08.17

サイバーエージェントのデジタルファッションに特化した専門組織「Meta Fashion Factory」

昨今、メタバース空間上において、国内外のブランド企業やアパレルによる「NFT(Non-fungible token/非代替性トークン)」を活用したデジタルファッションの販売が行われており、アート作品の発表も加速するなど注目が集まっている。

そのなかで、株式会社サイバーエージェントは2022年5月にメタバース空間におけるファッションの研究・事業開発を目的にデジタルファッションに特化した専門組織「Meta Fashion Factory(メタファッションファクトリー)」を設立した。ここでは芸能人のデジタルファッション商品の包括的なプロデュースおよびファッションデザイナー・クリエイターとの協業事業に取り組んでいる。今回はMeta Fashion Factoryについて、事業責任者である田中一生さんと、同社が展開する「株式会社CyberMetaverse Productions」の責任者である中野英祐さんに話を伺った。

ユーザーから支持されるプロダクト作成を目指す

Meta Fashion Factoryは主に芸能人のデジタルファッション商品のCG制作・販売・プロモーションの包括的なプロデュース、デジタルファッションに関する協業事業や研究に取り組んでいる。今後メタバース上でのファッションアイテムが多く消費されることが想定される状況下において、ユーザーから支持されるようなプロダクトを制作可能にすることが狙いだ。

株式会社サイバーエージェントはこれまで、「おもしろ企画センター」においてタレント・著名人とともに150を超えるYouTubeチャンネル開設し、企画運用・制作・広告販売を行うほか、D2C・ショッピング事業においても著名人のオリジナルブランドを立ち上げ、商品の企画開発・制作販売を支援してきた。直近では、タレントのNFT活用をサポートする専門組織「芸能人とNFT相談センター」を設立しており、タレントや芸能事務所における新たな収益創出や価値創造の支援に取り組んでいる。こうした背景から、Meta Fashion Factoryではこれまでのノウハウを活かしつつ、今後デジタルファッションの領域においても親和性のある人物と随時商品開発を行っていく。メタバース領域における事業展開のナレッジや技術力が同社の強みであり、またMeta Fashion Factoryの強みでもある。

田中さん曰く、「おもしろ企画センターをはじめ著名人のデジタル活動支援に注力してきた背景もあり、こうした取り組みで得られた知見や各所との連携についても、デジタルファッション開発に活かせるのではないかと考えています。」とのこと。

このように近年メタバース領域に力を入れている同社だが、これについて「メタバース空間における次世代の顧客接点は、これまで当社が培ってきたデジタルマーケティング領域の知見が活きると考えている」と中野さんは話してくれた。

「国内外の企業がメタバース上で店舗を展開するなど、新たな販売手法や顧客接点が模索されていますが、当社ではこれまでAI・3DCG技術の研究開発・社会実装や、リアル店鋪と小売企業のDX推進事業におけるデジタルを横断した新たな購買体験の提供などに取り組んできました。こうした強みを活かし、新たな販売チャネルとして期待されるメタバース空間における企業マーケティング活動や、『実店舗 × EC × メタバース』3つの商空間を複合データで繋いだ販促活動支援に挑戦しています。」

今年2月にメタバース空間における企業の販促活動を支援する新会社として設立されたCyberMetaverse Productionsではリアルな商品の販売だけでなく、NFTを活用したオリジナルのデジタルアイテムの制作販売や、NFTや独自の暗号資産を用いたロイヤリティプログラムの構築なども行っている。Meta Fashion Factoryは、特にデジタルアイテムの企画、制作領域においては連携を行っていく予定だ。

世界で愛されるようなアイテムを

従来の着用するためのファッションではなく、自己を表現する新たな手法として、デジタルファッションの形も重視されると考え、企画・創出にチャレンジしていくそうだ。

実際に、アパレルやブランド企業によるNFTの販売は近年加速している。同社でもNFTを活用したロイヤリティプログラム構築の研究に取り組む専門組織「ロイヤリティプログラムとしてのNFT研究所」を設立しており、アパレルブランドやタレントにおける、希少性の高いNFTデジタルアイテムやNFT会員証を活用したファンコミュニティの形成等を視野に入れた取り組みなどを研究している。

Meta Fashion Factoryが見据える、メタバースの未来はどのようなものなのか。最後に今後の展望も含め、田中さんに語ってもらった。

「メタバースの世界を喩えるのであれば、iPhoneが発売されてアプリがほとんど公開されていなかった頃と似ているように思います。一般的にメタバースが浸透し、そこでファッションを楽しめるように、まずはユーザーの方が気に入るようなアイテムをMeta Fashion Factoryを通して作っていきたいと思います。また、国境を越えた取り組みができるのもNFT・メタバースの大きな利点なので、世界で愛されるようなアイテムを制作していきたいですね。」

#Virtual Reality
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