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2024.10.30

「SOREL(ソレル)」の世界中で愛され続けるカナダ生まれのウインターブーツ「CARIBOU™(カリブー)」に注目

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寒冷地を快適に過ごすためのウインターブーツというと「SOREL(ソレル)」の「CARIBOU™(カリブー)」がパイオニアなのではないだろうか。
バンクーバー2010冬季オリンピック、カナダ代表フリースタイルスキーチームのユニフォームとしても採用されるほど、冬靴としてSORELは有名だ。
今回は株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンにてSORELのマーチャンダイジングを担当する蒲原 慶子さんに、ブランドのルーツやCARIBOU™のこと、さらにはSORELのおすすめアイテムまでお話を伺った。
「SORELは、カナダ オンタリオ州でラバーブーツなどを作るカウフマン社の一ブランドとして1962年にスタートします。ラバーブーツに取り外し可能な『インナーブーツ』をつけたのはSORELが最初といわれていて、それがCARIBOU™の誕生に繋がっていきます」

SORELの代名詞CARIBOU™

ここで早速、SORELの代名詞CARIBOU™の詳細を説明してもらおう。半世紀以上ほぼ変わらぬデザインには、きっと名品と呼ばれるがゆえの仕様があるに違いない。
「CARIBOU™は1960年代の誕生からほとんどデザインが変わっていません。長年愛用されているデザインというのがまず特徴としてあります。
ディテールでいうと、つま先のラバー部分は『シェル』と呼んでいるのですが、シェルとヌバックを縫い合わせている縫い目の裏にセメント由来の塗料が塗られていて、縫い目からの水の浸入を防いでいます。この技法は『ガンキング』といって、使えるブランドがすくない珍しい技術になります。
使用しているヌバックも防水加工が施されていて、製品自体にも“WATERPROOF”の文字が刻印されています。先ほども触れた取り外しのできるインナーブーツはフェルトで作られていて、厚さが9mmあり、寒冷地でも暖かく履くことができます。
さらにこのインナーブーツは別売りしているので、このインナーだけを取り替えながら履いていくと長年使っていただけます。実際に愛用者の方より、インナーブーツを取り替えながら、かなりの年数ご愛用いただいているという嬉しいお話をいただきます。
アウトソールもオリジナルで作られていて雪抜けのいい形状になっています。SORELを代表するCARIBOU™は、カナダの雪深い土地で暮らす人たちのために作られたディテールや機能が詰まったアイテムになっています」

ルーツを受け継ぎながら進化したモデル

SORELにはCARIBOU™のルーツを受け継いだアイテムがいくつも存在する。ここからは、その中でもおすすめのアイテムをいくつかご紹介いただこう。
「SORELの凝った技法やレザー使いといったクラフトマンシップはそのままに、雪道はもちろん、街履きにも適したデザインのモデル『BUXTON™ LACE BOOT WP(バクストン レース ブーツ ウォータープルーフ)』をご紹介します。
CARIBOU™のように冬の日常履きとして使っていただけるアイテムですが、製法のアプローチが異なり、このモデルは中にメンブレン[1]を入れることで防水機能を果たしています。中には200gのインシュレーション(中綿)が入り、フリースライナーが足元からの冷気をブロックしつつ、暖かく保ってくれます。
このモデルは日本の感度の高いお客様にはとくに人気の高いアイテムとなっています」

さらに軽量化したモデルでもっと普段使いに

最後にもう一足紹介してもらおう。先に紹介してもらったモデルより軽量で、季節も冬に限らず普段使いにもおすすめしたいアイテムだという。
「実用的なデザインの『SCOUT 87™ PRO BOOT PLUS WP(スカウト 87 プロ ブーツ プラス ウォータープルーフ)』というモデルになるのですが、こちらもメンブレン防水仕様で、それに合わせて防水加工されたスエードとレザーで作られています。シェル部分をゴムではなく、レザーにすることで軽量化されています。
実はこちらは、1970年代、プロスケーターでスノーボーダーのスコット・ダウニー氏とSORELが共同で、SOREL史上はじめてスノーボード用のブーツを作ったのですが、そのときのシェルとソールのデザインをオマージュしているのです。
デザインソースは昔のものですが、ミッドソールには厚みを持たせたEVA素材でクッション性をアップグレードしています。SORELのヘリテージと、最新技術が詰まったブランドの良さを感じられる1足だと思います。」
シューズブランドとして、確固たる地位を築いているSOREL。そのルーツともいえるCARIBOU™はメンズ以外にも、ウィメンズ、キッズと展開しているので、カナダ同様、たとえば北海道のような雪深い土地で暮らす人たちの日常の靴から、スキー場の従業員のための実用靴、あるいは様々なフィールドを楽しむ大人の自由を謳歌するためのファッションシューズとして、長い歴史とその実績から、今後の展開も楽しみなブランドだ。
この冬、SORELのシューズで足元暖かく過ごしてみてはいかがだろうか。

[1]メンブレン:
3層素材などの、機能ナイロン素材の生地と生地の間に入る膜状の素材。水滴の浸入を防ぎつつ、水蒸気は外に排出してくれるという性能を持つ。

PROFILE|プロフィール
蒲原 慶子(かもはら けいこ)
蒲原 慶子(かもはら けいこ)

株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン
プロダクトラインマネージャー
シューズブランド「SOREL」のマーチャンダイジング担当として、日本市場での展開ラインナップ選定などを行う。
日本国内に30人ほどしかいない「マスターオブシューフィッティング」の資格を取得。
靴選びのスペシャリストであると同時に、自他共に認める靴オタクで、人の足を観察するのが趣味。

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