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2024.09.19

誤差2mmを実現、AIを活用した採寸装置「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」の全容

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ライフスタイル提案商社である豊島株式会社は、AI活用を積極的に推進している。その一環として同社が開発した「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」(商標登録済み)は、画像解析AIを用いてアパレル製品の採寸作業を自動化し、従来の作業時間を大幅に短縮する革新的な装置である。
専用カメラで1枚撮影するだけで採寸が完了し、作業時間を半分以上短縮することが可能。採寸箇所はデザインに応じてモニター画面上で調整ができ、従来の手作業よりも精度の高い採寸結果を提供してくれる。
今回、「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」の運用を担当する豊島株式会社の岡本 健さんに、同装置の開発背景や活用のメリット、今後の展望について話を伺った。
PROFILE|プロフィール
岡本 健(おかもと たけし)
岡本 健(おかもと たけし)

豊島株式会社 DX推進室 課長
大学卒業後、豊島株式会社入社。実用衣料の営業から始まり、羊毛原料・原糸の販売、国産生地の対米輸出、海外駐在でのニット製品営業を経て、本社情報システム部門にて長年従事。2023年7月、新設されたDX推進室へ異動。「生産管理DX」「価値創造DX」に加えて「生成AI活用」をミッションに掲げる

顧客のニーズと会社の風土が生み出したサービス

「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」の開発背景を教えてください。
VIRTUAL STANDARD AI MEASUREは、もともと社内の効率化を考えて製作したものであって、サービス化して販売する目的のものではありませんでした。
私たちは洋服を製作して販売する会社なので、社内業務効率化の一環として、「洋服を製作する上で何に一番時間がかかっているか」「生産のプロセスのなかで何を効率化すると成果につながりやすいか」といった観点で検討した結果、採寸作業の効率化に決まりました。
装置の完成後、試しに展示会で発表させていただいたところ、多くのお客様から「自社でも導入したい」というお声をいただきました。
AI活用に関する社内理解や製品に取り入れたきっかけを教えていただけますか。
当社は、1年以上前から生成AIの積極的な活用と導入を進めております。
AIの技術的進歩や変遷を注視してきたことで、経営陣の理解と現場の関心も自然と高まってきており、社内ではAIに対する抵抗感はほとんどなくなっています。
多くの企業で、新型コロナウイルスなどの外的要因をきっかけに、AIなどの先進技術に関する取り組みが見受けられましたが、継続的に推進できている企業は少ないです。
そのなかで、当社はトレンドに左右されずに、社内業務効率化という目的を達成する上で最適なものがAIだったため、今回の採寸業務に取り入れました。

業務効率化だけではない「データ活用」のメリット

「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」の導入によって、具体的にどのようなメリットがあるとお考えですか?
大きく2つのメリットがあります。 
ひとつは、作業時間の大幅な短縮です。従来の方法と比較すると、「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」を使用することで、作業時間を半分以上も削減することができます。この圧倒的な効率化は、洋服を製作する業務プロセスの大幅な改善につながると考えています。
もうひとつは、撮影画像と採寸結果がデータとして保存できることです。これまでは一般的に、手作業で測定し紙に記録するだけで終わっていたため、データの再利用や分析が困難でした。しかし、「VIRTUAL STANDARD AI MEASURE」を使用することで、ECサイトや商品カタログへのデータ活用が可能になります。 
データが適切に保存され、活用できることは、ビジネスにおいて非常に大きな利点であると考えていて、業務の効率化だけでなく、マーケティングや商品開発などにも生かせる可能性が広がります。
従来の手作業による採寸と比較して、精度面ではどの程度の向上が見られたのでしょうか。
採寸精度は、従来の手作業による採寸と比較して、同等もしくはそれ以上の水準を実現しています。
具体的には、「誤差2mm以内」という高い精度基準を設定し、実際にその基準を満たす採寸結果を安定的に出すことができています。 
本装置の大きな利点は、人間が手作業で行う採寸時に生じる作業者間のばらつきを排除できる点です。
これにより、誰が作業を行っても、常に一貫した結果が得られるようになりました。 
精度面では人間と同等かそれ以上の性能を発揮しつつ、一貫性と再現性においては人間を上回る結果を出していると言えるかなと思います。
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