90年代後半のスニーカーブームにおいて、アフタースノーに履く厚底シューズとして「エスプレッソ」が話題となった「northwave(ノースウェーブ)」。数々の伝説を残しながら幾度かの復刻を経て、2024年春夏シーズンで本格的に再始動することが決定した。今回はその再始動に関して、同ブランドのブランドマネージャーである
SHINYOHの頓行隆二さんにお話を伺った。
ストリートシーンを席巻したアフタースノーシューズ
スニーカーブームの真っ只中であった90年代。裏原ファッションのアイコンであった藤原ヒロシ氏が着用したことで、国内のストリートシーンを席巻したブランドが「ノースウェーブ」だ。その歴史に関して、ブランドマネージャーを務める頓行さんはこう語ってくれた。「『ノースウェーブ』は80年代初頭にイタリア北東部のベネト州にあるモンテベルーナという街で、シューズのOEMメーカーとして創業しました。このモンテベルーナという地の歴史は古く、ベネチア共和国時代まで遡ります。
この街は古くから登山客でにぎわい、耐久性、高機能が要求される登山靴の生産から靴職人の街として栄え、今でも品質の高いブランドと、イタリアでも有数の靴製造工場がある都市として世界的に有名なのです」
1991年、歴史ある靴職人の街、モンテベルーナからスノーボードシューズブランドとして新たにスタートを切ったのが「ノースウェーブ」だったのだ。
「90年代後半、自分もまだこの職に就く前で、雑誌の誌面で藤原ヒロシさんが『ノースウェーブ』を履いていたのを見て、ショップを探し回りましたよ。当時は情報源が雑誌しかなかったので、穴が開くほど読み漁りました。いい思い出ですね」
現在の「ノースウェーブ」はロードバイクシューズ、スノーボードシューズなどのカテゴリーにおいて高機能かつ最先端のプロダクトを供給するトップブランドとしてアスリートたちの足元を支えている。
ボリューム感のあるフォルムが人気の定番“エスプレッソ”が復刻
藤原ヒロシ氏が履いて人気に火が点いたのが「ノースウェーブ」の“エスプレッソ”というモデルだった。このエスプレッソはどのようにして開発されたのだろうか。その経緯についても頓行さんは続ける。「当時のスノーボードシューズを目にした『ノースウェーブ社』の職人たちが高品質でフィット感にこだわったブーツを作りたいと1991年にブランドをスタートしたのは先ほどお話しした通りです。
エスプレッソは、スノーボードシューズ開発時にアフタースノーをコンセプトに、スノーボードシューズのソールにスニーカーのアッパーを搭載するという遊び心から生まれたんですよ」
当時の「ノースウェーブ」の過熱ぶりを知る人は、丸みのある特徴的なフォルムとクラシカルなスエードレザーに馴染みがあるだろう。このボリューム感とキュートなフォルムのシューズがまさしく街を席巻した。
今回、90年代ファッションのリバイバルを受け、2024年の春夏シーズンにおいて、満を持して再始動する「ノースウェーブ」。当時のエスプレッソからはどこ が進化したのだろうか。それについても頓行さんはこう語る。
「アッパーの雰囲気は当時のままにボリューミーなソール、本国イタリアではファットボーイソールと呼ばれるソールが軽量化しました。見た目よりもかなり軽く感じると思います」
2024年春夏の再始動では、エスプレッソが4色(ブラック、グレー、レッド、イエロー)と、エスプレッソがミッドカットになった“エスプレッソ チリ”が2色(ブラック、ロイヤル)登場するとのこと。
12月15日の先行発売を経て、全国展開は来年1月26日から
頓行さんのおすすめは、もちろん復刻したエスプレッソ。ブランドのアイコンモデルはカラバリも豊富で、適度なボリューム感は男女問わず履きこなせるはずだ。